羽生結弦「自分のために滑る」シーズン開幕 勝負の重圧から解放…競技人生終わりも意識

 今年2月の平昌五輪でフィギュアスケート男子66年ぶりの連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が、まもなく開幕するオータムクラシック(20日開幕、カナダ・オークビル)で今季初戦を迎える。目標だった五輪2連覇の偉業を達成して迎える新シーズンは、自らの競技人生が終盤に差し掛かっていることを自覚しながら、「自分のために」滑ることを決めている。

 ずっと目標としていた五輪連覇を達成。求めてきた結果は、すべて手にしたという実感がある。だからこそ、今季。これまでこだわってきた勝負の部分とは一線を画す、自分らの夢や憧れを追い求めることを決めた。

 「(五輪連覇で)結果としては満足していて、結果を残さなきゃいけないという重圧からは解放されている。これからは自分のために滑ってもいいのかなと。もう勝ち負けに固執する必要はない。自分のために滑る。今まで大変な道のりを歩んできた自分に対して、報われるようなことをしてあげたい」。

 羽生は先月30日に行われた練習拠点のカナダ、トロントでの公開練習で今季の新プログラムを発表した。フリーは自ら名付けたプログラム「Origin」。憧れの“皇帝”プルシェンコ(ロシア)がかつての採点方法で芸術点オール6・0(満点)を記録した伝説のプログラム「ニジンスキーに捧ぐ」をモチーフにアレンジを加え、「自分の起源、始まりの意味を持たせた」。SPは同じく憧れの元全米王者・ジョニー・ウィアー(米国)がかつて使った「秋によせて」。ともに自身の“原点”をテーマにした。

 フリーでは五輪後から「唯一のモチベーション」と語ってきた4回転半ジャンプも今季中に挑戦する意向だ。「やっぱり難しい。ただすごく思うのは、やっぱりアクセルって好きだなって。楽しいです」と、充実した表情で語る。

 アスリートとしての戦いの終わりが、着実に近づいてきていることは感じている。新採点での戦いには「あとはもう若い世代が新しいルールになって、どういう風に戦っていくのか、ある意味楽しみではあります。まあ自分はもう(自分が持っていた)記録たちとは戦えないですけど、自分は自分で楽しみながらやりたいなと思います」と話し、4回転半ジャンプについて「期限までに決めないといけないという重圧はある」と、“残された時間”との葛藤を明かした。競技人生が終盤にきているという実感がある?という問いに「それはあります」と、素直に答えた。

 見据えるのは、競技者として、あとは何を銀盤に残せるか。「今はただアクセルが跳びたい。自分が目指す最高のアクセルを」。幼い頃からの夢や憧れを現実に変える。羽生結弦の新たな戦いが始まる。

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