AS乾&吉田が銀 結成3カ月…井村氏が23歳新星べた褒め「武田&立花になれる」

 「アジア大会・アーティスティックスイミング(AS)」(28日、ジャカルタ)

 アーティスティックスイミング(AS)のデュエットのフリールーティン(FR)が行われ、結成約3カ月の乾友紀子(27)=井村ASク、吉田萌(めぐむ、23)=ザ・クラブピア88=は、TRとの合計182・3363点で銀メダルを獲得した。中国ペアが優勝した。サッカー女子準決勝で日本は韓国に競り勝ち、4大会連続で決勝進出。2大会ぶりの優勝を目指す。

 初顔の23歳が上々デビューを果たした。エース乾のパートナーに抜てきされた吉田は、初の大舞台とは思えない落ち着いた演技を披露。銀メダルを手にし「今持ってる自分の力は思い切り出し切れた」と胸を張った。

 乾は5月末のカナダでの試合を最後に前ペアを解消。東京五輪を見据えて井村雅代チームリーダー(68)が白羽の矢を立てたのが、昨年トップチーム入りしたばかりの吉田だった。身長と手足の長さは日本で随一。技術はつたないが、井村氏が「立ち姿だけは世界に負けない。一回この子で試してみる価値がある」と潜在能力に懸けた。

 予想をいい意味で裏切った。性格が明るく“鬼の井村”に対しても物おじせず何でも質問してくる。「叱られても笑い飛ばせるところがある」。指示を自分なりに整理できる頭の良さもあった。

 そしてデビュー戦の大舞台で強心臓を発揮した。井村氏は「思ったより冷静で、本番で演技を直す勇気を持っている。頼りがいがある」と称賛。「こうしてシンデレラガールが出てくるのはいいこと」と声を弾ませた。

 技術面で課題は山積みだが、「2人はすごく伸び率がある」と井村氏。「武田(美保)、立花(美哉)にもなれる」と五輪2大会連続銀メダルペアにも重ねた。吉田は「私が乾選手のレベルまで追いつけば、もっと上を目指せる」と2年後に向けて成長を誓った。

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