エース萩野公介が見た現実と光「競泳はやっぱり楽しい」

 「競泳・パンパシフィック選手権」(11日、東京辰巳国際水泳場)

 男子200メートル個人メドレーリレー決勝が行われ、萩野公介(23)=ブリヂストン=は1分56秒66で銅メダルを獲得した。400メートル個人メドレー金メダリストのチェイス・ケイリシュ(米国)が1分55秒40で2冠を達成した。

 果敢に飛ばした萩野だったが、銀メダルに終わった400メートルと同じく平泳ぎでケイリシュに交わされると、最後の自由形も競り負けて銅メダル。今大会は個人無冠に終わった。「最後は苦しかった」と苦笑いだったが、それでも、表情は明るかった。

 「タイム、成績は褒められたものじゃないけど、東京でこういう場所で泳がせてもらって、貴重な経験ができた。自分の中で少しずつ前に進めてる感覚がある。何をすべきかが見えてきた」。リオ五輪の前年に右ひじを骨折。リオでは金メダルを獲得したが、その後手術。その後は感覚を取り戻せず、不振が続いてきた。主将として臨んだ昨年の世界選手権ではレース後に涙を流す場面もあった。苦しい時期を経て、ようやく光が見えてきた。

 平井コーチも今後への手応えを口にする。「ケイリシュとの差は広がっているように見えるかも知れないけど、まだベストは萩野の方が速いんですよ。本人も悔しいと思ってるだろうけど、次に繋がる大会だった。ケイリシュに勝てないとは思ってない」。

 復権へ、次戦は4年前に4冠を成し遂げ、全競技の中のMVPを獲得したアジア大会(ジャカルタ)。「僕にとってかけがえのない大会になった。競泳はやっぱり楽しい」。見えてきた光に向かって、エースは突き進む。

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