五十嵐が逆転で連覇 東京五輪新種目サーフィンで躍動 最後に大技決めて感情爆発
「サーフィン・全米オープン」(5日、カリフォルニア州ハンティントンビーチ)
20年東京五輪で新採用されるサーフィンに日本代表での出場を目指す20歳の五十嵐カノア(木下グループ)が、決勝で米国選手を破り、2連覇を達成した。4本目の波で空中を横回転するエアリアルを決めるなど10点満点で8・17点をマークし、合計15・77点で15点・00点の相手を退けた。プロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)の予選シリーズ(QS)最高ランクの大会。今季2勝目で、年間ランク20位から3位に大きく順位を上げた。
砂浜と桟橋を埋め尽くした大観衆が固唾(かたず)をのんで見守る中、制限時間まで残り約2分。五十嵐は沖寄りで波をつかむと、連続技から加速して最後は派手に空中技を成功させた。連覇を確信して感情を爆発させ「どういうガッツポーズをしたかも忘れちゃった」と、両手を何度も振り下ろした。
抜いては抜き返される展開。大技を仕掛けられる波はなかなか来なかったが、慣れ親しんだ地元ハンティントンビーチとあって「波が必要なときに来るという感じがある」と焦らなかった。
最後の波は、順番が回って来ていた選択の優先権を使って相手選手の前に入り込み、勝負に出た。波の崩れ際からターンする技を連発した後、S字を描くように波の勢いを引き出す「カットバック」からのエアリアル。多彩で切れ味鋭い会心のライディングだった。
東京五輪で期待される逸材が次の目標の一つに掲げるのは、五輪の出場権獲得にも絡む世界選手権に相当するワールドゲームズ。9月に愛知県田原市で開催され、日本代表の五十嵐は優勝が期待される。「大切な大会。金メダルを取って五輪につなげられるように頑張る」と、さわやかに宣言した。





