レスリング渡利、悪性リンパ腫乗り越え涙のV「本当にうれしい」

 悪性リンパ腫の闘病を経て、2年ぶりの復帰戦を制し涙ぐむ渡利璃穏
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 「レスリング・全日本選抜選手権」(16日、駒沢体育館)

 世界選手権(10月、ブダペスト)代表選考会を兼ねて男女計8階級が行われ、女子68キロ級は悪性リンパ腫の闘病を経て2年ぶりに復帰した渡利璃穏(りお、26)=アイシンAW=が優勝した。17年の全日本選手権女王の土性沙羅(東新住建)が左肩を手術してプレーオフを欠場するため、代表入りが決まった。同62キロ級は川井友香子(至学館大)が制覇。男子74キロ級世界選手権銅メダルの藤波勇飛(山梨学院大)は負傷で棄権し、7月の代表決定プレーオフ(埼玉)に回った。

 667日ぶりに復帰した渡利が、不屈の精神を見せつけた。決勝はリードを許していたが、猛烈なタックルで場外に押し出し残り8秒で逆転。終了ブザーが鳴ると両手を突き上げた。「本当にうれしい。これまでやってきたことを信じて絶対に勝つという気持ちだった」。涙を浮かべながら喜びをかみしめた。

 初戦敗退となったリオ五輪後の16年9月、悪性リンパ腫が判明。同10月から抗がん剤などの治療に専念し、副作用で全身の痛みや吐き気に襲われた。17年夏に治療を終え、歩くことからリハビリ開始。18年1月から徐々にレスリングの練習も再開した。現在は経過観察に入っており、5年再発しなければ「ほぼ完治」となるという。

 闘病を支えたのは両親と五輪での悔しさだ。スタンドで観戦した母さとみさん(55)は「ここまでこれたことが奇跡。最高のプレゼントをもらった」と目を潤ませた。世界切符を手にした渡利は「まだリオの悔しさは晴らせないが、いいステップになる」と、2020年を見据えた戦いに目を輝かせた。

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