逸ノ城が全勝の魁聖止めた“復活の怪物”が春の主役奪う

 「大相撲春場所・10日目」(20日、エディオンアリーナ大阪)

 215キロの小結逸ノ城が全勝だった205キロの平幕魁聖を止めて4場所連続の勝ち越しを決め、2敗をキープした。合わせて420キロ、ガップリ、ど迫力の超重量戦を制して優勝戦線に生き残った。横綱鶴竜が千代丸を寄り切り先場所に続き初日から10連勝とし、魁聖が1敗に後退したため、単独トップに立った。2敗で逸ノ城、大関高安が続く。

 会場からの帰り際、逸ノ城に「コノヤロー」と声が飛んだ。声の主は車に乗り笑顔の魁聖。全勝を止められた相手も笑って完敗を認めるしかない重さだった。

 幕内体重ナンバー1の215キロ逸ノ城が同ナンバー2の205キロ魁聖に追い込まれたが土俵際、踏ん張った。押し戻してガップリ四つ。相手の体力を奪っていくと最後はパワー勝負で寄り切り。1分に及んだ420キロ対決を制した。

 「長かった。危なかった」とギリギリの攻防にも組み合えば自信はある。「相手も我慢している。1回出て落ち着いて、また出た」と冷静に仕留めた。

 相手は優勝争いトップを走っており、「絶対に落とせない」と気合は入っていた。16場所ぶりに返り咲いた三役で勝ち越し。「10日目で勝ち越すのは三役で初めてなので成長した」と納得顔だ。

増量の効果だ

 八角理事長(元横綱北勝海)は「止まれば逸ノ城は地力がある。まあ、これから。ただ地に足がついている。体調悪くしたり、苦労してね。上に上がってきたから」と成長に目を細めた。

 デビューから所要3場所で新入幕したモンゴルの怪物。一時は体の切れを出すため180キロ台まで減量したが圧力を失った。今は再び体重を増やし豪快さを取り戻した。肉も魚も体重を気にせず食べる。一方で大好きな菓子パンは継続して断つなど、アスリートとしての自覚が増した。前夜は部屋の近くの「びっくりドンキー」に行き、300グラムのハンバーグ2つに抑えた。

 11日目は全勝の横綱鶴竜が相手。「(優勝意識は)何もないですよ」と笑うが、自ら引きずり降ろせば、復活の怪物が春の主役に躍り出る。

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