明治神宮土俵入り観客激減2/3 角界ゴタゴタ…人気に水差した

 境内を埋め尽くしたファンが見守る前で土俵入りを初披露する稀勢の里=2017年1月
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 東京・明治神宮で9日、新年恒例の奉納土俵入りが行われ、白鵬(32)=宮城野、稀勢の里(31)=田子ノ浦、鶴竜(32)=井筒=の3横綱がそろい踏みしたが、観客は2800人で昨年から1400人も減った。元横綱日馬富士の暴行事件に始まり、協会の内輪もめ、立行司のセクハラ行為まで発覚。相次ぐ問題が明るみになり、大相撲人気に水を差した形だ。新年、角界が襟を正し、早期の正常化を図らなければファン離れの危機は深刻になる。

 横綱は注連縄(しめなわ)を張り、神に近い存在。土俵入りは邪気、厄災を払うと言われる。新春にふさわしい“縁起者”が3人もそろったのに、あやかろうとする観客は激減した。

 新年恒例の奉納土俵入りの観客数は、2横綱(白鵬、日馬富士)だった14年と同じ2800人の低水準。15年からの3横綱時代は回復する大相撲人気に合わせるかのように毎年増えていたが、今年は昨年を1400人も下回った。

 天候や、例年より遅い日程など要因はさまざまだ。しかし、昨年から続く不祥事の影響があるのは否めない。元日馬富士が引退し、豪華な4横綱時代が終了。暴行事件の酒席に同席した白鵬、鶴竜も減給処分された。“新年おめでとう”の気分ではないだろう。

 昨年の初場所で初優勝し、日本出身力士として19年ぶりに横綱に昇進した稀勢の里は度重なるケガにより4場所連続休場中。昨年1月27日、同じ場所での横綱推挙式と土俵入りには1万8000人の大フィーバーも、今は昔。一年前は稀勢の里を拝む観客がいたものの今は「頑張れー!!」と悲痛な声援が飛んでいた。

 立行司の式守伊之助は冬巡業中の宿舎で若手行司へのセクハラ行為が発覚した。この日は伊之助に代わり、三役格行司の式守勘太夫が土俵入りの先導役を務めた。年が明けても鎮まらぬ角界のゴタゴタ。白鵬は「新しい綱を引き締めて」と神妙な面持ち。稀勢の里は「新しいスタート。いい一年にする」と土俵に集中する決意だ。

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