新小結・貴景勝「貴流」貫く 暴行騒動何の!師匠譲りの精神論で突き進む

 硬い表情のまま、番付表を持つ貴景勝
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 日本相撲協会は26日、初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、貴景勝(21)=貴乃花=が新小結に昇進した。貴乃花部屋からは初の三役。師匠・貴乃花親方(45)=元横綱=は同席せず、国技館で1人堂々と会見を行った。元横綱日馬富士(33)の暴行を受けた兄弟子・貴ノ岩(27)への恩、師匠の教えを胸に、騒動に惑わず愚直に自らの相撲を貫くことを誓った。

 午前10時、暴行問題渦中にいる貴乃花親方のまな弟子とあり、TVカメラ8台、報道陣70人が両国国技館に集結した。異様な注目も何の、新小結の貴景勝は師匠不在の晴れ舞台を立派に務め上げた。

 他の部屋なら通常、昇進会見には師弟で並ぶが、新十両時のみ同席する方針の貴乃花親方は同席しなかった。「1人で行ってこい」-。師匠から言われ、部屋の誇りを1人で守り抜いた。21歳、14年秋場所で初土俵を踏んでから3年余りで三役に出世。「一つ上に行けた。力士なら上に行きたいと思っている」と番付を手に喜びをかみしめた。

 部屋からは初の三役。「恥にならないように」と偉大な師匠の名を常に意識する。師匠を参考にする部分は「すべて。一番は精神」と断言した。言葉数は多くないが「一つ一つに意味がある」と“貴魂”を刻み、相撲道を歩む。「普段の生活が大事」との教え。入門以来、食事面、睡眠など生活のすべてを相撲につなげることで成長した。

 愚直な突き押しを磨き続けてきた。「精神の持って行き方が前よりできるようになった。勝ちたいじゃなく、自分の力を出し切ること。勝ちたい気持ちを抑えていい内容の相撲が取れるか」。語る精神論はまさに師譲りだ。

 同い年の阿武咲(阿武松)と切磋琢磨(せっさたくま)してきた。先に三役に上がったのはライバルが先。「阿武咲関の方が強いから自分が後れを取っただけ」との言葉は現役時代の師をほうふつとさせる“侍”だった。

 暴行を受け負傷した兄弟子の貴ノ岩は療養中。早く戻って欲しいか?の問いに「もちろん」と即答。「自分1人で三役になれない。兄弟子に胸を出してもらったから」と活躍こそ恩返しになる。

 部屋には毎日、大勢の報道陣が押し寄せるが「特に変わったことはない。影響は全然ない」と自身のことに集中。この日も朝稽古はいつも通り行った。28日に厳罰処分の下る見込みの貴乃花親方。弟子は教えを継ぎ、師をどこまでも信じている。

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