伊達公子・一問一答(5)2度の現役で通用した要因「ライジングショットが大きい」

 8月28日に自身のブログで現役引退を発表した、女子テニス元世界ランキング4位の伊達公子(46)=エステティックTBC=が7日、東京・有明コロシアムのセンターコート上で引退会見を行い、引退を決断した理由や2度にわたる現役生活を振り返った。

 伊達の一問一答(5)は次の通り。

 -肩のひどさは。

 「痛みは米国から帰ってきて、さかのぼると20代の時に肩のけん盤というのは限界に近いということで手術を勧められ、その状況の中での(1度目の)引退があった。その古傷が今の私の年齢で使い続けると、もともと肩がそれほど強いわけではなく、その古傷が出てしまった。痛めたのは別の箇所だが、最終的に米国では古傷の場所に移行した。痛いですよ。痛みに強い部分もあるが、夜寝ていても痛いとか、MRI検査の30分間もじっとしていられないとかありました。今は注射も打って少し治まっている状態ではあります。ドクターにもちょくちょく診ていただいて米国にいるときからは経過としては上向き。試合は思い切ってやれるという言葉はいただいている。この1カ月はリハビリ生活だったので当然筋力自体は落ちている。取りあえず試合をやってみてどれくらいなのかという状況です」

 -2度の現役時代に通用した要因は。

 「今の女子のテニスはパワーとスピード。そこにはウィリアムス姉妹というフィジカル的に身体能力がすごい選手たちが出てきたこと。またラケットも進化し、コートもスローハードになった。いろんなことがかみ合わさってスピードテニスになっていると思う。当然だが90年代と比べればトレーニング法も医学的にも科学的にも進歩してきていることが選手を強くしている。例えばグランドスラムであってもツアーレベルであっても、必ずテニスコートにはジムを併設しなければいけないルールも90年代にはなかった。ホテルのジムで限られた選手がトレーニングに励んでいることはあっても、みんながみんな時間を割いてアップをしているわけではなかった。今はテニス会場の中に必ずジムがあり、練習前、試合前関係なく選手が群がっていて、それだけ身体に関して時間をかける時代になっていることがパワーやスピードにつながっていると思う。ただ、その中で私が再チャレンジ後にもフィフティーのレベルまでいけた結果が生まれたのも、ライジングショットが打てたということが当然大きいと思う。自分のボール自体にパワーがなくても回転の速いボールが打てたことが一番大きかったのかなと思う。ただ、そこには足が一番大きかったんだなと、今すごく感じています。ライジングショットは自分の足が動かないとと痛感しています」

 -今後の新たな挑戦は。

 「今はとにかく来週火曜日に試合が決定しましたけど、肩の不安と膝の不安を抱えながら、試合にすべてフォーカスすることしか考えていないこの1カ月だった。まずはコートに立って100パーセントにはほど遠いプレーにはなると思うが、今の自分にできる最大限のプレーをすること、そこに準備をすることで(その後に)どうするとかは考えていない。試合が終わった後もたぶん心配事はかなりあると思う。まず試合のこと、次は肩のこと、それが成功してからになると思うが、自分が何をやりたいか、何ができるのか少しずつ考えていこうかなと思います。でも1回目の引退の後のように、しばらく何もしたくない、ラケットも握りたくない、コートも見たくないとはならないと思います」

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス