世界選手権リレー・藤光、世の“控え”の人たちに「勇気を与えられたかな」

世界陸上競技選手権大会から帰国し大声援に迎えられる銅メダルを獲得した男子400メートルリレー代表=羽田空港(撮影・堀内翔)
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 ロンドンで行われた陸上世界選手権でメダルを獲得した選手が15日、羽田空港に帰国し会見を開いた。男子400メートルリレーでリザーブから決勝でメンバーに選ばれた藤光謙司(31)=ゼンリン=は、世の中で「控え」に回っている人たちを代表して「いつでも準備をしていれば、チャンスがまわってきたときに結果を残せることを証明できたと思うので、勇気を与えられたらいいのかなと思います」と語った。

 今回の世界選手権では、ケンブリッジ飛鳥のコンディションが良くないことを理由に、レース6時間前に藤光のアンカー起用が決まった。こうした経緯を「急に決まったことは決まったんですけど、いつでも行ける準備はしていましたし、これまでの経験でも何度かこういうことはあって。動揺はなかったですし、行けと言われたら行きますという感じでした」と余裕を持って振り返った藤光。銀メダルを獲得したリオ五輪のリレーでは出番はなく、一時は「一区切りというのもあった」と第一線を退くことも考えたと明かした。

 ただ、この悔しさが「大きな糧になっている」とも話す。藤光のように、チャンスがなかなか来ず、出番を待ち続ける立場の人は他の競技、またはスポーツでなくとも多く存在する。「去年の悔しさがなかったら今年の自分はなかったかなというのはあります」と、ともし続けた闘志が銅メダルにつながったと強調。「なかなか試合に出られない人たちって世の中にいっぱいいると思うんですけど、いつでも準備をしていれば、チャンスがまわってきたときに結果を残せることを証明できたと思うので、勇気を与えられたらいいのかなと思います」と語った。

 スーパースターのウサイン・ボルト(ジャマイカ)とも同じ時間を共有した。ボルトは負傷で倒れこんでしまったが、藤光は「僕が最初、同じ大会に出た時は天と地ほどの差があった中で、(彼の)引退レースという場面で同じ走順で同じ時間を共有できて、ああいう形にはなりましたけど、感慨深いものがあるなと思いました」としみじみと振り返った。

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