横審、稀勢の里に秋全休を勧告、名古屋強行出場に「判断が甘かったんじゃないか」

 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会が24日、両国国技館で行われ、大相撲名古屋場所(23日千秋楽、愛知県体育館)で2場所連続途中休場した横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=に対し、秋場所(9月10日初日、両国国技館)全休が勧告された。

 北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「来場所は東京場所だから、地方の人に新しい横綱だよ、と見せる責任はない。しっかり治して万全の態勢で出て欲しいし、そうならないなら、休んでいいんじゃないかと。しゃにむに秋場所に出て来てでなく、秋場所までに望ましいことにならないなら休んだ方がいい。委員の多数がそういう意見だった」と、話した。

 稀勢の里は春場所で左上腕部などに重症を負いながら千秋楽に逆転優勝。代償は大きく、ほぼぶっつけで臨んだ夏場所は11日目から途中休場。名古屋場所も患部に不安を抱えたまま出場し、初日から大不振。5日目、勢戦で土俵に落下し、左足首を痛めた。「左足関節靱帯(じんたい)損傷で約3週間の安静加療」の診断で6日目から休場した。

 名古屋場所前の横審でも全休し、体を万全にするよう勧める意見が出たが、今回はより多くの委員が強く求めた。同委員長は強行出場の判断に関し、「客観的に自分の現在の状況を自分を見る、回りを見る。これで横綱として全うできるかを見る。その判断がちょっと甘かったんじゃないかと思う。『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』。孫子(の兵法)ですが、白鵬を見るとそういう感じがする。敵と自分を客観的に見て判断する。ケガへの対応の仕方の自己管理。横綱は回りがどうこう言えない。横綱は本人にしか分からない。自分で管理して判断する必要がある。ファンの期待があり責任感に押されて、ちょっと甘くなったかなと思う」と話した。

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