国立の埼玉大から庄司が大相撲入門、全国ベスト32の実力

 「大相撲名古屋場所」(9日初日、愛知県体育館)

 名古屋場所で異色力士が誕生する。埼玉大の庄司向志(22)が、史上4人目の国立大学出身として3日に行われる大相撲名古屋場所の新弟子検査を受検する。大学時代は3年時に全国学生相撲選手権でベスト32に入るなど活躍。留年して現在は大学5回生だが、近く中退する。

 大学で在籍していたのは、相撲とはまったく無縁の工学部電気電子システム工学科。といっても庄司にとって、相撲とは切っても切れない縁がある。

 高校は秋田・横手高。偏差値60を超える進学校だが、小学2年から相撲を始めた庄司は入学と同時に仲間と3人だけの相撲部で目覚ましい結果を残した。

 3年で全国高校総体団体ベスト16。団体は5人制だが3人で出場。一人も負けられない状況の中で勝ち上がった。その後の国体では現在の幕内貴景勝、幕下の矢後らを要する埼玉県代表に2-3で敗れたが、大将として出場して準優勝。卒業後は「経済的に国立じゃないと、と思って。相撲部があるところがいいと埼玉大を受験しました」と強豪私立ではなく国立を選択した。

 大学入学後も1年時に全国国公立大学対抗相撲大会で団体優勝。3年で出場した大学選手権(インカレ)では個人でベスト32に入った。

 プロの角界入りを考え始めたのは「去年のインカレが終わってから。行くか行かないか、どうしようかなと」。迷いはあったが、留年した4月に両親に相談。「やるなら一生懸命頑張れ、自分の人生だからと言ってもらった」と背中を押された。

 庄司の肩に手を添えた武蔵川親方が頼もしそうにこう言った。「並んだら身長は俺と一緒くらい。夢があるのがいい。一生懸命やったら関取になれるよ」。8月が誕生日。23歳未満という年齢制限ギリギリでの入門だ。国立大卒という肩書を捨て、庄司がこの名古屋から新たな一歩を踏み出す。

◆過去の国立大出身力士

(1)一ノ矢(2007年11月に引退、高砂部屋、最高位は東三段目6枚目)琉球大理学部卒

(2)弓の里(08年7月に引退、鳴戸部屋、最高位は西三段目3枚目)高知大農学部中退

(3)舛名大(11年5月に引退、千賀ノ浦部屋、最高位は東三段目89枚目)名古屋大工学部卒

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