“進撃の怪物”サニブラウン2冠 2日連続自己ベストV、リレー侍全員に勝利

 表彰台で笑顔を見せるサニブラウン。左は2位の藤光謙司、3位の飯塚翔太(右)
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 「陸上・日本選手権」(25日、ヤンマースタジアム長居)

 男子200メートル決勝でサニブラウン・ハキーム(18)=東京陸協=が、20秒32(追い風0・3メートル)の自己ベストで初優勝し、03年の末続慎吾以来となる100メートルとの2冠を達成し、代表に決まった。前日の100メートルではケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、桐生祥秀(東洋大)、山県亮太(セイコーホールディングス)を、200メートルでは飯塚翔太(25)=ミズノ=に勝ち、昨年のリオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリスト全員に完勝。完全に日本陸上界の主役に躍り出た。

 覚醒した“怪物”の進撃は止まらなかった。前日に史上最高レベルの100メートル決戦を制したサニブラウンが、主戦場の200メートルでも一人別次元の強さを見せつけた。

 スタートからグングン加速し、隣のレーンを走る飯塚を一気に引き離した。そのまま他を寄せ付けずにゴールまで疾走し、15年世界ユース選手権で出した自己ベストを0秒02更新。今大会の100メートルは3レースすべて自己ベストで走り、200メートルも2レース目だった。

 「正直、満身創痍(そうい)だった」。万全ではなかったが、「これが終わればいっぱい寝られるし、おいしい物が食べられる。前半で勝負して、あとは我慢の勝負と思っていた。それで逃げ切れたのは良かった」と、純粋な欲求を力に変えた。

 100メートルでケンブリッジ、桐生、山県をまとめて撃破し、この日は飯塚を問題にしなかった。1年前、日本に歓喜を呼んだリオ五輪の“リレー侍”に完勝し「あまり考えていなかった。でも日本一になれたのは単純にうれしい」と、充実の表情で汗をぬぐった。

 まだまだ伸びしろを感じさせる。食事の節制については「まだあまり考えてはいない。過度に脂っこい物は取らない方がいいのかなってぐらい」と話す。この日の朝食もジャムマーガリントーストにかぶりつき、レース後は「ラーメンを食べに行きたい」と笑った。

 衝撃的な強さで日本を制圧し、2年ぶりに世界の舞台に舞い戻る。100メートル、200メートルでは「両方ともあわよくば決勝に行けるかなと思う」と、ファイナリストに照準を定める。金メダルの期待が懸かる400メートルリレーについては「練習しなきゃ」とバトンリレーに不安を抱えており、受け取るだけのアンカー起用が有力だ。

 同リレーが現役ラストレースとなる100メートル、200メートル世界記録保持者のボルト(ジャマイカ)と真っ向勝負となる可能性もある。「速く走るのは楽しいし、ハイレベルになればなるほど楽しい」。胸躍る夏がやってくる。

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