新生・友綱部屋がスタート 元旭天鵬の新親方、師匠席に「違和感ある」

新師匠・友綱親方(後列中央)を囲む友綱部屋の弟子ら
2枚

 大相撲の第12代友綱親方(42)=元関脇旭天鵬=が13日、都内の部屋で稽古を初指導し、新・友綱部屋が始動した。年寄名跡を交換し、第11代友綱改め大島親方(65)=元関脇魁輝=となった“先代”から、座敷中央の“師匠席”を譲られ、稽古を見守った。

 弟子らが見守る前で静かな“禅譲”だった。午前8時、ほぼ同時に稽古場に入った新旧友綱親方。“先代”から「こっちだ、こっちに座れ」とうながされると、新師匠は「緊張する」と顔をこわばらせた。2人でしばし言葉を交わした後、座敷中央に新師匠はドカリと腰掛けた。1989年に部屋を継いでから28年座り続けた指定席を譲り、部屋付き親方となった“先代”は座敷の端にずれ、あぐらをかいた。

 新師匠は「違和感ある。オヤジがはしっこに座るのはないから。違和感ある」と繰り返した。大島部屋時代と合わせ2人の師匠から学んできた。「2人とも真ん中に座ってるイメージだから自分がそこに座るなんて」と慣れない様子で話した。

 稽古中もそわそわだった。「落ち着かなかったよ」と土俵回りに出向いては、積極的に弟子に声をかけた。「慣れていくんだろうけどね」と、しばらくはじっと見守るより、動く指導スタイルとなりそうだ。

 師匠席から見る景色は「初めてで全然違った」と言う。部屋付き親方時代は斜めの角度から稽古を見ていたため「あの角度から見たことはない」と言う。全体が見渡せることに驚き、「やっぱりそういう風になってるんだな」と、感心した。

 2人の師匠から教わったことは、「みんなが同じことができるわけない」と、それぞれに合った指導法があること。「個性を見極める。褒めた方がいいのか、厳しくした方がいいタイプなのか。体力も気持ちもみんな違う」と、力を込めた。

 一方で独自色も出していくつもり。「稽古も短い時間でメリハリを出していきたい。いつもより早く終わってもいい。いきなり変えると戸惑うから、みんなの意見を聞きながら」。将来、自らがスカウトした弟子のしこ名も考えており「(旭天鵬の)鵬を付けようかな」と話した。

 モンゴル出身初の師匠となる。友綱部屋に移籍した直後の12年夏場所で初優勝するなど数々のレジェンドを築いてきた。人格者で知られ、横綱白鵬(宮城野)らからも厚い信頼を得て慕われる。

 「日本に来て26年、学んだことがたくさんある。相撲なしで今の人生はなかった。人との付き合いがいかに大事か。相撲だけが人生じゃない。部屋の子たちに自分が感じたことを教えたい」。角界へ恩返しのため、力を尽くす。

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