白鵬1年ぶりの復活V38 歴代通算最多星にM12「32になってもできるんだ」

 「大相撲夏場所・14日目」(27日、両国国技館)

 横綱白鵬が2敗差の大関照ノ富士を寄り切り、14連勝として、自身が持つ最多優勝記録を更新する6場所ぶり38度目の優勝を果たした。1敗の力士がいないため、千秋楽を待たずに賜杯の行方が決定。白鵬が14日目までに優勝を決めるのは、自身の15日制での最多記録を塗り替える17度目。大関昇進が確実な関脇高安は、平幕正代に寄り倒されて11勝3敗となった。

 大横綱が辛抱して成し遂げた復活優勝だ。1年ぶりの美酒の味を「初日から飛ばした。我慢するところは我慢して、辛抱するところは辛抱して、出るときに出て、という感じ。いろいろな思いがあるから、やっぱりうれしいもんです。うれしいというか、責任を果たした感じかな」と感慨深げに表現した。

 立ち合いで照ノ富士の巨体をガッチリ受け止めて右を差した。上手を取って頭をつける相手の抵抗にあったが、肩すかしで崩すと、最後は左を差しての右のおっつけで寄り切った。

 白鵬が5場所連続で優勝を逃したのは、06年夏場所の初優勝以後で最長。優勝から遠ざかっていた5場所は我慢を強いられた。16年は秋場所を全休し、右足親指を手術。この時期が最も苦しかったという。

 さらに、先場所中には右太ももなどを痛めて途中休場。場所後にはモンゴルに帰国し、リハビリでヨガなど「いろんなことに挑戦した」と、懸命に回復に努めた。

 その間、稀勢の里が日本出身力士19年ぶりの横綱に昇進。2場所連続優勝するなど国民的な人気者となる一方で、自身はこれまで相撲界をリードしながらも“脇役”に追いやられる形となった。

 これが大きなモチベーションとなり、「後輩横綱が誕生して眠っていたものがよみがえってきた。今回こそは、という気持ちでやっている」との思いで今場所に臨み、“主役”を奪い返した。

 この日の勝利で魁皇が持つ歴代最多通算1047勝にあと12勝となり、来場所中の更新にさらに前進。北の湖が持つ最長の横綱在位63場所にもあと4に迫った。今年で32歳となったが、「32になってもできるんだと、頑張れば、努力すれば、と言うのを見せつけたのかな」という。大横綱が再び大きな一歩を踏み出した。

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