稀勢休場「ちょっと力が入らない」3連覇夢散 大きかった春場所Vの代償

 「大相撲夏場所・11日目」(24日、両国国技館)

 大相撲の横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が夏場所11日目の24日から休場した。日本相撲協会に「左大胸筋と左上腕二頭筋の損傷で約1カ月の加療を要する」との診断書を提出した。春場所で痛めた負傷が完治せず、今場所は10日目まで6勝4敗と苦しんだ。休場は2014年初場所千秋楽以来2度目。3場所連続優勝の可能性は消滅した。2横綱の優勝争いは全勝の日馬富士が敗れ、白鵬が初日から11連勝で単独トップに立った。

 限界だった。「ちょっと(左腕に)力が入らない」。稀勢の里は23日夜、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)と話し合い、休場を申し出た。

 この日の朝稽古には姿を見せず、親方が報道陣に対応。「相撲にならないということだった。今まで(休場を自ら)言うことはなかったからね。必死だったと思う。横綱としての責任があるから判断を出したと思う。『すいません』と言ってました」と弟子の苦しい心中を代弁した。

 稀勢の里の休場はこれまで14年初場所千秋楽の1日しかなかった。痛みに強い“鉄人横綱”の重い決断。1937年の双葉山以来、80年ぶり初優勝からの3連覇は消えた。

 春場所で左上腕部などに重症を負いながら千秋楽に奇跡の大逆転優勝。しかし代償は大きかった。春巡業を全休し1カ月リハビリしたが、回復は間に合わなかった。左おっつけは使えず、10日目には琴奨菊に完敗して2連敗で4敗目(6勝)と不振だった。

 診断は場所前と変わらず「同患部の損傷で加療1カ月」。親方は「悪化していることはない」と断言した。場所後は各地で土俵入りなどイベントも多数予定。状態を見ながら参加を判断する。まずは治療に全力。名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)で今度こそ完全復活を目指す。

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