稀勢の里やっと圧倒星!左差しで一気に体ごと押しつぶした

 「大相撲夏場所・6日目」(19日、両国国技館)

 左上腕部などに負傷を抱える横綱稀勢の里が平幕大栄翔を浴びせ倒しで下し、連勝で4勝目を挙げた。左を差し、軽やかに土俵を半周して7歳下のホープを圧倒。今場所一番の内容を見せ、乗ってきた。大関とりに挑む関脇高安は関脇玉鷲に押し出され、初日からの連勝は5でストップ。白鵬は平幕遠藤を押し出し、日馬富士は平幕碧山を寄り切って、横綱2人が全勝を守った。

 フットワークが軽い。稀勢の里は左から当たって左差し。ねじ込みながら出た。突き落としにも動じない。回り込む大栄翔を土俵半周、くるっと回って追い詰め、最後は体ごと押しつぶした。

 「勢いがある。若いからね」と、場所前の出稽古でも指名した7歳下のホープが相手。30歳ながら常々、「肉体は25歳」と言う横綱は“若い”相撲で完ぺきに封じた。

 左腕に負傷を抱え、伝家の宝刀、おっつけが使えない。決まり手は前日が寄り倒し、この日が浴びせ倒し。土俵際でしゃにむに、勝利をつかもうとしているのが伝わる。

 取組後の支度部屋では日に日に口数も少なくなる。状態が上がってきているか?には「うん」。左腕は良くなっているか?には「うん、どうなんでしょう」と生返事だった。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「左を差せば安心感あっただろう。足が運べていた。だんだん慣れてきている。動きは良くなっている。千代翔馬、千代の国と対戦してしのいできたから足が動く。上と当たるまでには万全になっていると思う」と下半身の安定感を認めた。

 横綱土俵入りの化粧まわしを漫画「北斗の拳」から、後援会から贈られた故郷・茨城県の美をデザインした逸品に変更。「いいものを頂きました」と新たな気持ちで臨む。

 この日は東京女学館で相撲を選択科目にする中学2年の女子生徒らが観戦。横綱は帰り際に一緒に写真を撮り、握手。ファンレターも渡され満面の笑みを浮かべた。老若男女が稀勢フィーバー。相撲人気を背負い土俵に立つ。

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