稀勢の里、優勝額量産決意 21年ぶり日本人力士に2枚同時贈呈

 「大相撲夏場所」(14日初日、両国国技館)

 夏場所初日を翌日に控えた13日、両国国技館で優勝額贈呈式が行われ、初場所、春場所と初優勝から2連覇を果たした横綱稀勢の里(30)=田子ノ浦=が出席した。日本出身力士では96年の貴乃花以来、21年ぶりとなる2枚同時贈呈で、さらなる量産へ意気込み。当時の貴乃花は4連覇まで伸ばしており、3連覇へ“吉兆出陣”となった。

 縦3・17メートル、横2・28メートルの優勝額は、ともに仁王立ち姿だった。稀勢の里は「なるべく正面を見据えようという気持ちだった」と堂々たる存在感を誇示。記念撮影では2枚の額の間で胸を張った。

 額は両国国技館の天井部の四方に計32枚掲げられ、年3度の東京場所の際に2枚ずつ掛け替えとなる。日本出身横綱の額が復活するのは、07年初場所の際に消えた貴乃花のもの以来。「うれしい。こんな立派な優勝額をいただいてありがたい」と感慨深げに話した。

 2枚同時贈呈は東京と地方場所を連覇することが条件になる。こちらも日本出身では96年秋場所前に贈呈された貴乃花以来、21年ぶり。当時の貴乃花は同場所も制し、4連覇まで伸ばした。

 春場所では左上腕部などに重症を負いながら、奇跡の逆転優勝を果たした。01年夏場所で右膝の痛みに耐えて優勝した貴乃花の魂を継ぐ“新・土俵の鬼”は「またいただけるようにしっかりやる」と、さらなる額の量産を決意。37年の双葉山以来、80年ぶりの初優勝から3連覇に臨む。

 序列最高位の東正位の横綱として、土俵祭りでは横一列に並んだ三役以上の11力士のど真ん中に陣取った。右に鶴竜(井筒)、白鵬(宮城野)、左に日馬富士(伊勢ケ浜)を従えてみせた。

 大勢のファンがひと目見たさに国技館に駆け付け、姿を見るや、「稀勢様~」、「見られて良かった」と感激。何と年配の方には拝む人までいた。

 空前の人気と期待にも本人は泰然。「変わらずに。力んでも仕方がない。今熱くなっても何の意味もない。一一日しっかりと、あした集中してやるだけ」。いつもと変わらぬ“稀勢語録”で決意を示した。

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