稀勢雪辱星!先場所唯一黒星の琴奨菊に 「ギリギリのところ」冷や汗の全勝死守

 「大相撲春場所・9日目」(20日、エディオンアリーナ大阪)

 新横綱稀勢の里は、大関復帰を目指す関脇琴奨菊を突き落とし、自身4度目の初日から9連勝とした。幕内対戦が史上最多63度目で、先場所唯一敗れた相手に執念の逆転星。関脇高安は平幕の豪風をはたき込み、初日から自身初の9連勝に伸ばした。大関照ノ富士は勢を寄り切って勝ち越し、4度目のかど番を脱出。横綱日馬富士は平幕荒鷲に寄り切られて、歴代7位タイとなる33個目の金星を献上した。荒鷲は3個目の金星。全勝の稀勢の里と高安を、照ノ富士と平幕栃煌山が1敗で追う。

 危なかった。稀勢の里は琴奨菊の弾丸のような踏み込みにたまらず後退。俵に足をかけてこらえると、“伝家の宝刀”左を突き上げ、食い止めて、そのまま突き落とした。

 「思った以上に出てきた。ギリギリのところだった」と冷や汗の全勝死守。入門以来の宿敵は、地位が変わっても強かった。

 史上最多、幕内通算63度目の対戦はこれで30勝33敗。手の内を知り尽くす相手に、初優勝した先場所は唯一黒星を喫した。

 前日の朝稽古まで一人で行っていた立ち合いの確認は、この日、今場所初めて、若い衆を土俵に入れて行った。琴奨菊を意識し、入念にイメージした。

 初土俵は相手より1場所後の02年3月。15年前を「覚えていない」と笑うが、中卒たたき上げの自らと、高卒アマエリートは競って番付を上がった。

 新入幕、新三役は自身が早かったものの、大関昇進は1場所遅れた。大関同士、しのぎを削り、初優勝は先を越された。悔しさを肥やしに横綱をつかみ取った。

 今場所は関脇に陥落した琴奨菊だが「変わらない」と闘志は燃えた。大関復帰を目指す相手の気迫に「しっかり集中してやった」と全力で応え、雪辱した。

 1場所15日制が定着した49年以降、32人誕生した横綱で5人目の初日から9連勝。「いいんじゃないの」と、高安との同部屋での優勝一騎打ちへ大きな関門を突破した。

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