処分解除の桃田「もう(賭博を)することはないと思う」 一問一答
昨年4月に違法カジノ店で賭博行為をしていたことが発覚し、無期限大会出場停止処分を受けているバドミントン男子の桃田賢斗(22)=NTT東日本=が12日、日本協会が5月15日付での処分解除を決めたことを受け、千葉県市川市内で取材に応じた。昨年4月の謝罪会見以来、初めて公式に口を開いた桃田と一問一答は以下の通り。
-処分解除が決まった感想は。
「(所属での)練習が終わって監督から聞いた。まだ決まったばかりで具体的なことは言えないが、信頼回復に努めたい」
-自身にとって、この1年はどうだったか。
「バドミントンができることが当たり前という甘い気持ちがあった。もう一度、感謝だったり、支えてくれる人たちを確認でき、自分にとって必要な時間だった」
-謹慎期間中は何をしていた。
「バドミントン教室に参加した。会社業務では、資料づくりのサポートや、会議の事前準備や周知をさせていただいた」
-得られたものは。
「まずは信頼を回復したいという思い。(バドミントン教室で)子供たちの笑顔に触れ合えたのは自分にとって大きかった」
-東京五輪に向けて。
「まだ自分を応援してくれている人たちや支えてくれる方のためにも恩返しを込めて、感謝の気持ちを忘れず精いっぱい頑張りたい」
-ファンに対して。
「裏切ったことをお詫びしたいし、今度はプレーや態度でお手本になれるよう努めていくので、よろしくお願いしますと伝えたい」
-昨年4月に報道が出たことについてどう思うか。
「今でも軽率な行動を取ったと反省している」
-約1年を経て、社会人として変わったこと。
「バドミントンができることへの感謝の気持ち。社会人として節度ある行動を今、学んでいる途中。選手としてだけでなく、人としても成長したい気持ちが強い」
-実戦から離れているが、今の状況は。
「正直、1年間試合をしてない不安はあるが、応援してくれる方のためにも自分に負けないでやっていきたい」
-処分期間の長さについてどう思うか。
「正直なところ、短い長いではなく、軽率な行動を取ったことは社会人として甘さがあった。引き続き競技力だけでなく、人として向上したい」
-家族の支え。
「裏切ってしまったことは今でも深く反省しているし、ずっと支えてくれることに関しては感謝している」
-両親とは。
「以前よりはしょっちゅう連絡を取り合って心の支えになっている」
-リオデジャネイロ五輪をどう見ていたか。
「正直、裏切ったことや申し訳ない気持ちで、五輪期間中は自分のことで精いっぱいだった。3年後は試合をしてみないとどうなるかわからないが、またトップ選手と一緒にプレーできるように感謝の気持ちを忘れず頑張りたい」
-試合は見たか。
「リアルタイムで試合は見ていない。ニュースでは見たけど、申し訳ない気持ちでいっぱいだった」
-バドミントンを辞めようという気持ちはあったか。モチベーションは。
「辞めようとは思わなかった。具体的な目標はなかったが、続けさせてもらえるからには全力でやらないといけないと思い。先が見えなかったけど、モチベーションが下がることはなかった」
-田児選手についてどう思っているか。
「あの事件以来、一切連絡を取っていないので、特にコメントはない」
-なぜこのような行為をしてしまったのか。またトップになると誘惑があるかもしれないが、再発防止は。
「自分の成績がどんどんついてくる中で、隙を見せてしまったり、甘さがあって軽率な行動をしたと思う。一社会人として節度ある行動を学んでいるところで、トッププレーヤーに戻れたとしても、もう(賭博行為を)することはないと思う」
-どういう気持ちでモチベーションを保ったか。
「自分の中では辞める気はなかったが、もう続けられないかもと思った。でも、また続ける環境をつくっていただいたのでモチベーションを保てたと思う」
-昨年の会見では「勝負師として勝負が好きで賭博をした」と、スポーツとギャンブルを同一視するような発言があったが、今はどう思うか。
「今となっては、あの発言は軽率だったと反省している。スポーツマンは人として大きくならないと本当のトップになれないので、人として成長していきたい」