沙羅まさか地元で4位…50勝おあずけ&今季初表彰台逃す

 「ノルディックスキー・W杯ジャンプ女子」(15日、宮の森ジャンプ競技場)

 W杯通算50勝目が懸かっていた高梨沙羅(20)=クラレ=は、1本目93メートル、2本目89メートルの合計217・4点で4位に終わり、今季初めて表彰台を逃した。高梨が札幌のW杯2戦で未勝利に終わったのは13年以来4年ぶり。今大会まで6戦5勝と圧倒的な強さを誇っていたが、節目の勝利を目前に、まさかの足踏みとなった。前日にW杯初優勝を飾った伊藤有希(22)=土屋ホーム=は236・3点で2位となり、2戦連続で表彰台に上った。

 歯車は最後までかみ合うことはなかった。雪で視界が悪くなる中、迎えた高梨の2本目。踏み切りのポイントを外したジャンプは、力なくK点(90メートル)手前で着地した。「自分のジャンプができなかった」。優勝したルンビー(ノルウェー)がバッケンレコードの100メートル、前日にW杯初優勝を果たした伊藤が94・5メートルとほぼ同じ条件でしっかり距離を伸ばしただけに、完敗といえる内容だった。

 節目の50勝を目前に、まさかの足踏みだ。大会前まで今季6戦5勝。札幌と蔵王(20、21日)の日本4連戦で50勝はもちろん、男子のシュリーレンツァウアー(オーストリア)の通算最多勝53勝に並ぶ期待も懸かっていたが、札幌でよもやの未勝利。13日の公式練習から目立っていた踏み切りの遅れを修正しきれず、「日本でいい結果をという気持ちがあった。焦りもあった」と唇をかみしめた。

 全日本の山田いずみコーチは「次はジャンプ台も変わるし、心配はしていない」と強調した一方で「今までは断トツだったが、(他の選手との)差が狭まってきている」と、分析。高梨自身も「これが今の自分の実力。女子ジャンプのレベルの流れに置いていかれないようにしないと」と危機感をにじませた。

 よぎる不安は杞憂(きゆう)で終わるか。ジャンプの女王が、今季初めて試練を迎えた。

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