同大 東海大に大敗終戦…平尾さんに恩返しできず「すみません」

 「全国大学ラグビー、東海大74-12同大」(2日、秩父宮ラグビー場)

 準決勝2試合が行われ、29大会ぶりの決勝進出を目指す同大は、昨季の準優勝校・東海大に12-74で敗れ、昨年10月に亡くなったOBの平尾誠二氏(享年53)らが成し遂げて以来32大会ぶりの全国優勝の夢は果たせなかった。帝京大は天理大を42-24で下し、8連覇に王手をかけた。5大会連続の関東勢対決となった決勝は9日に行われる。

 同大の夢はスルリとこぼれ落ちていった。山神監督は「やっと帰ってきた場所」と、11大会ぶりの準決勝の舞台をかみしめたが、新年2日の秩父宮は想像以上の重圧だった。

 開始直後からボールが手につかなかった。自陣深くで反則を犯し、相手にチャンスを献上。嫌な流れのまま先制を許すと、さらに浮足だった。落ち着いてボールを保持できたのは、前半15分を過ぎた頃。持ち味の「展開ラグビー」を発揮し、同17分、25分とトライを返したが、反撃もそこまでだった。リオ五輪7人制日本代表バックアップメンバーのWTB松井千士(4年)も見せ場はなし。「東海大のプレッシャーに圧倒された。涙も出ないくらい、本当に何もできなかった」と唇をかんだ。

 昨年10月にOBでもある平尾誠二氏が死去。平尾氏在籍時以来となる全国制覇が、最高の恩返しだと信じていた。生前、「新しい強いラグビーを作ってくれ」とエールを送ってくれた平尾氏。松井は「平尾さんの思いを受け継いでやろうと思っていた。ベスト4までいけたのは良かったけど、あの栄光を取り戻すことはできなかった」と無念の表情を浮かべた。

 それでも山神監督は「打倒関東がキーワードだったが、東海・帝京の“2強”が目標と言ってもいいところまで来た」と胸を張る。松井は「(同大生である)あと何か月かで熱いものを伝えたい」と平尾魂継承を約束。久々に得た越年の経験と受け継がれる伝統が、同大をさらに強くする。

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