遠藤 白鵬初撃破 会心の寄り切りに会場大拍手 「うれしい」2年半ぶりの金星

 「大相撲九州場所・6日目」(18日、福岡国際センター)

 東前頭3枚目遠藤が横綱白鵬を一気の寄り切りで初撃破し、14年5月場所で鶴竜に勝利して以来、2つ目の金星を挙げた。今場所は3大関を倒し、全勝の横綱に土を付ける大暴れで4勝2敗とした。綱とりの大関豪栄道は小結玉鷲に突き落としで敗れ、初黒星で先場所からの連勝は20で止まった。平幕唯一全勝だった蒼国来も敗れ、初日から6連勝は横綱鶴竜1人となった。

 館内は大拍手、割れんばかり歓声が響いた。土俵外でぼう然と立ち尽くす白鵬。和製力士のホープ遠藤が最強横綱をついに撃破した。

 強い相撲だった。立ち合い、鋭く踏み込み、白鵬の張り手もかまわず前へ出た。左を差して右上手。全身全霊、力を込め無我夢中。一気に勝負を決めた。

 「張り手が来てもひるまず出ようと思っていた。横綱相手にイメージ通りに取れるものじゃない。雰囲気にだけ飲まれないようにした。結びで、うれしいです」。2年半ぶりの金星をかみしめた。

 今場所は3大関を倒し、全勝の横綱に土を付ける大暴れ。故障に泣き続けた26歳は見事にはい上がった。

 人気沸騰の昨年3月場所で左膝半月板と前十字靱帯(じんたい)を損傷。今年1月場所で右足首も痛め休場し、3月場所は十両に転落した。

 故障に耐えた1年半が遠藤を心身とも変えた。師匠の追手風親方(元前頭大翔山)はそれまで筋肉重視のまな弟子に諭したことがあった。「無駄な肉(脂肪)も必要。夜中の3時に腹いっぱい焼き肉食って酒を飲むのがお相撲さん。相撲はアスリートでなく勝負師が勝つんだ」。体重は10キロ増の155キロ。ふっくらした腹回りはアスリートから相撲取りに変わった証しだ。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「今までやってきたことが間違いじゃないと自信になる」と褒めた。話題盛りだくさんの九州で一躍主役。「こういう日が迎えられるよう耐えてきた。満足せず前を向いてやっていく」。7日目は全勝の鶴竜相手にもうひと波乱を狙う。

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