錦織3週間ぶり復帰星! 左臀部もう大丈夫
「男子テニス・スイス室内」(24日、バーゼル)
シングルス1回戦で臀部(でんぶ)の故障から復帰した世界ランキング5位の第3シード、錦織圭(26)=日清食品=は、世界77位のドゥシャン・ラヨビッチ(セルビア)をストレートで退けて2回戦に進んだ。錦織は5日の楽天ジャパン・オープン2回戦を途中棄権し、その後のマスターズ上海大会を欠場。これが約3週間ぶりの実戦だった。
勝利の瞬間に笑顔はなかった。錦織は左臀部(でんぶ)痛からの復帰初戦で、やや苦しみながらもストレート勝ち。「第1セットは厳しかった。第2セットは自分が良くなったのもあるし、相手のミスで助けられた部分もあった」と淡々と振り返った。
滑り出しは順調とはいえなかった。「(球足が)遅いコートでタイミングがつかみづらい。いつも通りどんどん打っていくわけにもいかない」と手探りの戦いだった。トップスピンをかけて高く跳ねるボールを多用するラヨビッチの攻撃にも悩まされ、打ち負けることもしばしば。不満げに声を上げる場面もあった。
それでも要所ではギアを上げた。第1セット6-5から相手サーブの第12ゲームは、ジュースからのラリーでコートの手前や左右を広く攻め、最後はフォアのクロスで制してガッツポーズ。続くポイントも第2サーブを相手の足元にリターンしてもぎ取った。第2セットは相手サーブの第2ゲームを15-0から4ポイント連取でブレークし、主導権を握った。
痛めた部位を気にする様子もなく、無難な再スタートに「比較的早く練習に復帰できたし、体調も大丈夫」と不安は感じていない。今季は今大会を含め残り3大会。「最後をいい形で締めくくりたい」と意欲を示した。