金藤 金メダルに墨田区発“下町ロケット”飛んだ!日本代表で唯一中小企業の水着

 「リオ五輪・競泳女子200m平泳ぎ・決勝」(11日、五輪水泳競技場)

 女子200メートル平泳ぎ決勝で、日本競泳陣の主将を務める金藤理絵(27)=Jaked=が、2分20秒30で金メダルを獲得した。競泳女子で日本の金メダリストは5人目で、この種目では1936年ベルリン五輪の前畑秀子、92年バルセロナ五輪を日本勢最年少の14歳で制した岩崎恭子以来3人目。日本競泳女子で表彰台に立った最年長選手になった。

 金メダルという恩返しの“ロケット”が舞い上がった。金藤の活躍の影には、東京都墨田区の下町にある社員61人の小さな企業があった。水泳帽を中心に水泳用具を製造・販売しているフットマーク社。毎年のように試合に応援で駆けつけ、激励会を開催してくれる同社に、地球の反対側から吉報を届けた。

 加藤コーチと小林智也部門長が知り合いだった縁で11年に所属契約。以降は何度も引退がよぎったが、そのたびに浮かぶのは、親身に応援してくれる社員の顔だった。

 トップ選手の多くが大手メーカーと契約を結ぶ中、同社が国内販売ライセンス契約を締結したイタリアの競泳水着ブランド「Jaked」の水着を着用しているのは日本代表では金藤一人。12年に社内で発足した応援団「りえっ娘(こ)倶楽部」で団長を務める長縄崇さんは、27歳の苦労人を同社に重ねる。

 「私たちは大手メーカーさんには勝てないので、隙間を狙ってビジネスをしている。金藤選手はわれわれのような中小企業にとってのヒーロー。うちの水着で世界で活躍してくれて、本当に下町ロケットみたいなものです」

 27歳の“雑草娘”が、世界一の地道な努力で手にした金メダル。日本中のサラリーマンや中小企業に勇気を与えた。

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