福島復活 6年ぶり日本新22秒88

 「陸上・日本選手権」(26日、パロマ瑞穂スタジアム)

 女子200メートル決勝が行われ、福島千里(27)=北海道ハイテクAC=が22秒88(追い風1・8メートル)と自身の持つ日本記録を6年ぶりに更新する圧巻の走りで6連覇を達成した。7連覇した100メートルに続き、リオデジャネイロ五輪代表に内定した。2位にはジュニア(U20)日本記録の23秒46をマークした斎藤愛美(倉敷中央高2年)、3位には市川華菜(ミズノ)が入った。

 トラックを疾風のごとく駆け抜ける、福島らしい走りが復活した。スタートから一気に飛び出すと、軽やかにカーブを抜け、絶好の追い風を受けながら直線は後続を突き放す一方。ゴールを駆け抜けながら6年ぶりの日本記録となる22秒88を確認すると、両手を広げ、満開の笑みを浮かべた。

 「わぁ~いって思いました。本当にうれしいな~って、久々に心から思います。(6年ぶりは)長かったですね」

 08年から10年にかけて、100、200メートルで日本記録を連発した。ただ、近年は国内では敵なしの状態は続いていたが、記録面では伸び悩んできた。世界大会に出場しては、その“壁”を痛感させられ、何度も涙した。昨年、今年は調子の良さを実感しながら、レースで足がけいれんするなど不運も重なり、もどかしい日々を送ってきた。「不安も焦りもあった」と振り返る。

 6年ぶりに過去の自分を乗り越え「出ないなって思った時期が2、3年、出る出るって思っていながら出なかったのが2、3年。出ない時は『自己ベストにはこだわってない』とか『目指すのはもっと上の記録』とか強がっていた部分もあったけど、(今回更新した)0・01でもすごくうれしい」と、ホッとしたように笑った。

 27日に28歳の誕生日を迎える。27歳最後の日に自らの殻を破れたことは、3度目の五輪挑戦となるリオへの大きな一歩になったはず。過去2度の五輪は、すべて1次予選敗退。悔し涙を流してきた。「27歳の最後にいい締めくくりができた。今日をいいきっかけにして、過去最高の、納得できるレースをしたい」。今度こそ自分らしい笑顔で、夢舞台を疾走する。

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