騒動続く五輪…くすぶり始めた返上論

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は1日、ベルギーのリエージュ劇場のロゴとの類似が指摘され、同劇場などから国際オリンピック委員会(IOC)が提訴されていた東京五輪のエンブレムの白紙撤回を決定した。

 巨額な総工費が問題となった新国立競技場に続き、エンブレムもわずか1カ月あまりで白紙撤回となった。会見した五輪組織委員会の武藤敏郎事務総長は「国立とエンブレムを並べて議論したい気持ちは分かるが、国が作る施設の国立と、組織委員会が作るエンブレム。考え方は別のものと理解している」と弁明したが、ともに対応が後手後手に回り、5年後の夢舞台にとって深刻なイメージダウンとなったことは否めない。

 立て続けのゴタゴタに、国民の胸には懐疑心が渦巻いている。ある競技団体関係者は「もう返上した方がいいんじゃないか…。誰もリーダーシップを取れないし、今の日本に五輪を受け入れる土壌はない」と、ため息交じりに話した。ネット上にも“返上論”はくすぶり始めている。

 酷暑が予想される大会期間などに疑問を呈する声もあり、今後もまだ概要が見えてこない新国立競技場、新たに選考されるエンブレム、まだ未発表の大会マスコットなどに厳しい視線が向けられるのは必至。歓喜に沸いた2013年9月7日から約2年。56年ぶり2度目の一大祭典を迎えるはずの「TOKYO」は、大きな岐路に立たされている。

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