「陸上・日本選手権」（２７日、デンカビッグスワンスタジアム）

　男子ハンマー投げは野口裕史（３２）＝群馬綜合ガード＝が７１メートル９８で初優勝を飾った。昨年まで２０連覇の室伏広治（４０）＝ミズノ＝が欠場し、２１年ぶりに新王者が誕生したが、記録は世界選手権の参加標準（７６メートル００）に大きく届かず低調。

　室伏のいない日本選手権で、新たな“鉄人”候補は誕生しなかった。唯一７０メートルを超えた３２歳の野口が初優勝。２１年ぶりの新王者となったが、世界選手権の参加標準に届かず「自分を納得させるために７５メートルぐらいは欲しかった。これだと（室伏が）出てなくてよかったと言われる。悔しい」と、唇をかみしめた。室伏は欠場理由を「いつまでも自分が出場し続けることで後輩が育たない」としていたが、野口を除けば７０メートルを超える選手もおらず若手の台頭も乏しい。

　野口は「室伏さんがいないと寂しいし、モチベーションが難しい。恋人がいないみたい」と“ラブコール”。１６年リオデジャネイロ五輪の選考会となる来年の日本選手権。果たして、室伏は帰ってくるか－。