復活、栃ノ心 日馬富士を破って初金星

 「大相撲春場所・8日目」(15日、ボディメーカーコロシアム)

 平幕の栃ノ心が横綱日馬富士をはたきこみで破って、うれしい初金星を獲得した。13年7月に右膝に重傷を負い3場所連続で全休。幕下まで番付を下げて地獄を見た男が見事な復活星を挙げた。横綱白鵬は豊ノ島を押し出しで下して37度目のストレート給金。幕内連続勝ち越しを49場所として史上2位に並んだ。優勝争いでも関脇照ノ富士、平幕の安美錦が敗れ早くも単独トップに立った。

 夢にまで見た光景だ。栃ノ心が日馬富士をはたきこみで破って金星を獲得した瞬間、館内には座布団が飛び交った。08年11月に白鵬に初めて挑戦してから、朝青龍、日馬富士、鶴竜と4人の横綱に挑むこと24回。大きく高い壁にずっとはね返されてきたが、ついに25回目の挑戦で突き破った。「相撲を取って10年。幕内に8年くらいいるけど本当にうれしい。良かったです」と喜びをかみしめた。

 日馬富士の勝ちパターンである左上手からの投げを、立ち合いでの圧力で封じて主導権をつかんだ。まわしから手が離れた横綱が、低く攻めてくるところをタイミングよく左手で頭を押さえて横転させた。「引いたのはたまたま。どんどん前に攻めようと思った」と積極策を強調。右膝をケガして以来、攻めながら前に出る取り口を心掛けていることが殊勲につながった。

 一昨年の7月に徳勝龍戦で右膝のじん帯を負傷して途中休場。翌場所から3場所連続で全休して番付は幕下55枚目まで急降下した。1年前の3月に復帰してから、瞬く間に幕内上位にカムバック。そして金星ゲットと力強い復活の道のりを歩んでいる。「入院中は稽古もできないし自信をなくした。もう戻ってこれないと思った」と絶望のどん底からはい上がってきた。10日目には白鵬との対戦が濃厚。勢いに乗って2つ目の金星を狙う。

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