錦織「いい出だし」初戦ストレート突破
「全豪オープンテニス」(20日、メルボルン)
日本人初の四大大会シングルス優勝の期待が懸かる世界ランキング5位で第5シードの錦織圭(25)=日清食品=は1回戦で、世界ランキング69位のニコラス・アルマグロ(29)=スペイン=に6-4、7-6、6-2でストレート勝ちした。元世界9位の難敵の強烈なショットに苦しみながらも2セットを連取。第3セットは力の差を見せつけた。22日の2回戦では世界86位のイワン・ドディグ(30)=クロアチア=と対戦する。
元世界9位との初戦で緊張していた。1回戦の組み合わせの厳しさでは錦織が「トップ」と表現した戦いだった。それでも四大大会制覇への期待に押しつぶされることなく、第5シードの実力を発揮した。「厳しい1回戦は予想していた中で、3セットで決められたのはいい出だし」と表情を緩めた。
楽な展開ではなかった。ツアー開幕戦ではサービスゲームを一度も落とさなかったが、第1、第2セットとも先にブレークを許した。殊勲星を狙うアルマグロのショットに押され、思うように攻められない。第2セット、4-3で迎えた相手サーブの第8ゲームは9度のジュースの末に奪いながら、直後のゲームを落とした。
それでも終始、冷静さは失わなかった。力強いサーブをまずは返して得意のストローク戦に持ち込むことを徹底した。第2セット途中から「リターンの調子が上がり、プレッシャーをかけられた」とリズムをつかんだ。第3セットは完全に主導権を握った。
サービスエースは11本。オフに改善したサーブは要所で流れを取り戻すきっかけとなり、「昨年より良くなっている」と再認識した。世界トップ5で初戦を迎えたプレッシャーを問われると「気にしていない。気にしても意味がない」。表情を変えずに答える姿に、快進撃の期待が膨らんだ。





