沙羅、今季初V!地元で大ジャンプ

 「W杯ジャンプ女子札幌大会」(10日、札幌市宮の森ジャンプ競技場)

 個人第2戦が行われ、総合3連覇を狙う高梨沙羅(18)=クラレ=が97メートル、98メートルと好飛躍をそろえ、249・9点で通算25勝目となる今季初勝利を挙げた。ダニエラ・イラシュコ(オーストリア)が231・1点で2位だった。

 復調を印象づける内容で表彰台の真ん中に立った。開幕戦は3位に終わった高梨が、地元でHSに迫る大飛躍を2回そろえてライバルを圧倒した。W杯2戦目で待望の今季初勝利を挙げた18歳のエースは「現時点でやらなければいけないことはできた」と穏やかな笑みを浮かべた。

 「冬のシーズンインのころから何となくしっくりこない」と首をひねるように、まだ本調子ではない。それでも1回目に向かい風を捉えて97メートルを飛んでトップに立つと、2回目はさらに1メートル距離を伸ばした。着地を決めると勝利を確信したのかガッツポーズも見せ、観衆の声援に応えた。

 昨年12月の開幕戦から帰国後、悪天候のためジャンプ台での練習が思うようにできなかった。助走路の滑りの姿勢でも試行錯誤が続く。状態が上がらずに焦りもあるというが、ようやく好結果が出て「少しずつでも前進している。次につながれば」と表情に明るさが戻ってきた。

 金メダルを期待された昨年2月のソチ冬季五輪は4位に沈み、悔いを残した。その経験を生かすためにも今季は「すごく重要な1年になってくる」と自覚する。目標の個人総合3連覇へ、女王にエンジンがかかってきた。

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