錦織4強!準決勝相手はジョコビッチ

 「テニス・ATPツアー・ファイナル」(13日、ロンドン)

 シングルスの1次リーグB組最終戦2試合が行われ、世界ランク5位の錦織圭(24)=日清食品=は補欠で急きょ出た同10位のダビド・フェレール(32)=スペイン=に逆転勝ち。2勝1敗として、同組2位で準決勝進出を決めた。同2位のロジャー・フェデラー(33)=スイス=は同6位のアンディ・マリー(27)=英国=に圧勝し、3戦全勝の1位で通過し、1勝2敗のA・マリーは敗退した。A組の最終戦は14日に行われ、錦織の準決勝(15日)の相手は、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に決まった。

 突然の事態にも動じない強さがあった。長いラリーで根負けせず、2時間近い激闘に終止符を打つと、錦織は自信にあふれた笑顔でガッツポーズを繰り返した。フルセットにもつれた試合の勝率は、ことしは9割以上と驚異的。「完璧だった」という最終セットは6-1で押し切り、世界トップ5の底力を証明して4強入りを果たした。

 試合開始の約1時間半前、196センチの長身からの高速サーブを武器にする同世代のラオニッチが故障で棄権。小柄ながら粘り強いストロークが持ち味の32歳、フェレールに相手が代わった。「正直驚いた。大変だな」と一瞬頭をよぎったという。タイプが全く異なり「戦術を変えるのが難しかった」。第1セットを先取されたが、今季3連勝していた相手に慌てなかった。

 壮絶なラリーは覚悟の上。第2セットは「リスクを冒して攻撃的にいった」と反撃した。トスの位置を修正した第1サーブの成功率が第1セットの51%から72%に上がり、回り込んで放つフォアの強打で観衆の喝采を浴びた。最終セットは「ミスを恐れず打ち抜けた」といい、機動力が武器のフェレールもお手上げ状態だった。

 世界8強による栄誉とプライドを懸けた大会で、堂々と1次リーグを突破。日本のエースは「この舞台で自分のテニスに自信がついている」と充実感をにじませた。

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