「陸上・日本ジュニア・ユース選手権」（２０日、瑞穂陸上競技場）

　男子ジュニア２００メートルは、今夏の世界選手権（モスクワ）１００メートル代表で２００メートル高校記録保持者の桐生祥秀（京都・洛南高３年）が２０秒５７で優勝し、高校最後の大舞台を飾った。女子２００メートルは神保祐希（石川・金沢二水高３年）が２４秒１９で制した。

　冷たい雨を切り裂いて、ジェット桐生が猛然とトラックを駆け抜けた。コーナーを抜け、直線に入ると後続に大差の独走でフィニッシュ。それでも「優勝はうれしいけど、（日本ジュニア記録の）２０秒２９を狙っていたので満足はしていない」と喜びと悔しさの両方をのぞかせた。

　記録、そして将来へ。新しい桐生のスタイルを実践した。「いつもより前半から突っこんで、後半のことを考えずにいこうと思った」。持ち味のトップスピードをどれだけ維持できるかが、記録とレベルアップに不可欠だと考えた。後半５０メートルでは力んで失速したが「（このスタイルは）続けたい」と、来季以降のさらなる飛躍へ手応えはつかんだ。

　４月に１００メートルで日本歴代２位の１０秒０１を出し、世界選手権にも出場した。「テレビで見ていた大会にも出られて、充実した１年だった。世界と走って、より一層速くなってあの舞台で走りたいと思うようになった」と激動の１年を振り返った。「来年は１００メートルでも２００メートルでも自己ベストを更新したい」。来春に進学する東洋大で、日本人初の９秒台突入を目指す。