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CS敗退の分析と3連覇目指す来季の展望

 緊急招集されたがスタメンに起用されなかった広島・安倍
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 “高校ビッグ3”と言われた広陵・中村奨成捕手を、中日とのくじ引きの末、見事に交渉権を得た昨日のドラフト会議。今夏の甲子園で大会新の6本塁打を放ったスラッガー獲得は緒方カープにとって大きな希望になる。それは横に置き、ドラフト前に終わってしまったCSファイナルについてまず触れておきたい。

 2勝2敗のタイのまま2日間の“水入り”があったが、結局はDeNAの勢いを止められなかった。23日の第4戦。低調の打線に刺激を与えるため、足の故障で2軍調整を続けていた安部を緊急招集したものの、スタメン起用しなかった。「無理させて来季に支障が出たら困る」と考えたなのら、最初から呼ぶべきではなかったし、呼んだ以上はスタメンで使ってほしかった。彼の出番は1点ビハインドの五回裏、先頭の投手への代打だったが、三邪飛に倒れてしまう。

 六回裏、無死満塁という最大の好機を迎えたが、代打の岩本、そして小窪が連続三振に倒れ、最後の田中も凡打して逸した。もし最初の代打が「安部だったら…」と思ったファンも多かったことだろう。戦局打開のために呼ばれた安部はあの機会にこそ使う選手ではなかったか。これらを含め、全5戦においてベンチに採った策はことごとく裏目に出て、一度たりとも流れを自軍に呼び込めなかった。

 連覇を決めたのが9月18日で、公式戦終了が10月1日。カープとすれば十分過ぎるほどの調整期間があったが、逆に長すぎて間延びしたことは否めなかった。そこに天候不順も重なり、選手は大変だったと思う。しかも、シーズンを4番でけん引してきた鈴木が8月上旬に右足を骨折、そして優勝を決めた試合で安部が負傷、さらにエルドレッドまで故障してしまった。第4戦の絶好機で岩本、小窪らを代打起用せざるをえないぐらい、控えの層が手薄になったことで、緒方監督も手の打ちようがなかったとも言える。これは投手陣も同様。このシリーズを通して痛感したのは「左投手」の存在。中継ぎに敵の4番・筒香を抑えられる左が一枚いれば、全く戦況は変わっていた。

 一発で形勢を逆転させられる鈴木やエルドレッドを欠き、バントやエンドラン、盗塁など「つなぎの一手」も壊滅的に失敗し続けた。シリーズ前、石井、河田両コーチの今季限りの退団が発表されるという不安定要素もあった。3年前の2014年、当時の野村監督がCSファーストの前に辞任を表明し、2位・阪神になすすべなく敗れた記憶が甦ってきた。選手全員が「来年から敵になる…」という思いを抱いていたかは別にしても、影響がなかったかと言えばそうは言い切れない。

 37年ぶりにリーグ連覇を達成した2017年は、思わぬ形で幕を閉じた。CSの結果はともかく、素晴らしい戦いだったのは言を待たない。個人的にMVPを選ぶとすれば丸。打線の軸としてしっかり結果を残し、チームを引っ張った。菊池が体調不良の時もカバーし、4番の鈴木が不振の時はポイントゲッターになった。交流戦終盤のソフトバンク戦で、バンデンハーグから3打席連続本塁打を放ったのが秀逸。逆方向にも打てる力強い打撃で、今や球界を代表するバッターに成長したと言っていい。

 投手では薮田だろう。開幕からしばらくは中継ぎだったが、エース・ジョンソンの故障離脱で先発に回り、最後は最高勝率のタイトルを獲るまでになった。ここまでなるとは想像もしなかった。最後は悔しい思いをしたが、これは来年の糧になるはずだ。

 球団初の3連覇がかかる2018年は、今年のメンバーとそう大きく変わらないだろう。打線は田中、菊池、丸の3人に、4番は故障が完治しているはずの鈴木。その後に松山、安部、バティスタが続くか。松山は秋季練習、キャンプから一塁守備を本格的に練習するという。松山を一塁コンバートさせるということは、左翼をバティスタとエルドレッドの2人に争わせることを意味する。三塁は安部がメーンだろうが、今年力をつけた西川も黙ってはいまい。投手は先発陣は野村とジョンソン、薮田の3本は確定。その後に大瀬良、岡田、中村祐らが争うことになる。私個人はここに2軍から高橋昴、高橋樹、戸田、塹江の左腕が加わればもっと高いレベルの争いになると思っている。

 話は最初に戻るが、ドラフト1位で指名した広陵・中村には早いうちに1軍のレベルを体感してもらいたい。捕手も一流の投手によって成長していくものだ。若い「W高橋」に先発の機会があれば、中村と組ませて使ってみれば面白い。チームの3連覇と共に若い力が伸びていく1年を、これから楽しみに待ちたいと思う。

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