侍ジャパン・吉田正尚 ミスター以来“御前”弾!起死回生の逆転2ラン 開幕3連勝で1次リーグ1位突破!

 「WBC東京プール presented by ディップ 侍ジャパン4-3オーストラリア代表」(8日、東京ドーム)

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は8日、東京ドームで1次リーグC組の2試合が行われ、日本代表「侍ジャパン」はオーストラリアを4-3で下し、開幕3連勝で同組1位での準々決勝進出を決めた。0-1の七回に4番の吉田正尚外野手(32)が2試合連続となる逆転2ランを放ち、1966年以来60年ぶりとなる「天覧試合」を盛り上げた。日本の準々決勝は米マイアミで14日(日本時間15日)に行われ、ドミニカ共和国やベネズエラが参加しているD組を突破した2位チームと対戦する。

 特別な夜だ。吉田が奏でた乾いた音は、大歓声でかき消される。「みんな諦めていなかった。勝てたことが一番だと思います」。天皇、皇后両陛下、愛子内親王殿下が観戦された天覧試合に届けた1次リーグ1位通過。起死回生の逆転2ランと、4番が大仕事をやってのけた。

 1点を追う七回だ。ここまでオーストラリア投手陣に苦しめられてきた鬱憤(うっぷん)を、一振りで晴らす。「タフな投手が続いていた。自分のベストスイングをしよう」-。2死一塁で打席に入ると、低めの変化球をフルスイングですくい上げる。スタンドは総立ち。吉田は息をフーッと吐きながら、一塁を力強く蹴る。打球はファンが歓喜して待つ右中間席へ吸い込まれていった。

 「ちょっと独特な雰囲気で」。いつもとは違う緊張感が東京ドームには充満していた。野球の国際試合での天覧試合は1966年の日米野球以来、60年ぶり。「今日はすばらしい日だと思っていたので、絶対勝たないといけないと思っていました」と勝利を誓い、4番のバットが火を噴いた。

 序盤からオーストラリア投手陣の前に、強打の打線がそろって沈黙。吉田自身も「打たされた打席が多かった」と言いながらも、「最後は1球で仕留められた」と安堵(あんど)する。勝負どころで頼りになるのが、やはり4番だろう。7日の韓国戦では鈴木との2者連続弾を放つなど2安打3打点。この日もまた、試合を一振りで決めた。

 2試合連発で侍ジャパン歴代単独トップの大会通算4本塁打を記録。勝負強さは健在だ。この要因を吉田は「本当に運がいいのと、本当に後悔しないことを一番心がけています」と笑う。2024年10月には右肩を手術したが、25年の後半から徐々に状態も回復。「体の状態が一番いいことで今、自信を持ってグラウンドに立てています」。胸を張って、JAPANのユニホームに袖を通す。

 今年7月で33歳を迎える。今大会中も試合前、試合後には入念な治療やケアで準備。長い時では2時間をかけ、整えてからグラウンドに立つ。「代表して戦えるのは非常に光栄なこと。本当に一戦必勝で、みんなで力を合わせてやっていきます」。1次リーグの1位通過が決まった天覧試合の夜。侍ジャパンをまた一つ強くした。

 ◆侍ジャパン選手歴代単独トップの大会通算4本塁打 吉田がWBC通算4本塁打。これまで大谷、多村、中田、村田、筒香と3本で並んでいたが、この日の一発で単独トップに躍り出た。また吉田はWBC2試合連発は前回大会の準々決勝・イタリア戦~準決勝・メキシコ戦に続く自身2度目。

 ◆天覧試合 プロ選手が出場した試合で天皇陛下が過去に観覧された試合は1959年6月25日の巨人-阪神戦(後楽園)と66年11月6日の全日本-ドジャース戦(後楽園)。59年の巨人-阪神戦ではスコア4-4で迎えた九回裏に長嶋茂雄が劇的なサヨナラアーチ。さらに、66年の日米野球でも長嶋が初回に先制本塁打を記録している。今回は約60年ぶりの天覧試合となった。

 ◆侍ジャパン選手の2試合連発 WBCでの侍ジャパン選手の2試合連発は今回の吉田が7度目。これまでの6度は【1】第1回大会・多村仁志(1次リーグ・中国戦~台湾戦)【2】第2回大会・村田修一(1次リーグ・中国戦~韓国戦)【3】第4回大会・筒香嘉智(1次リーグ・キューバ戦~オーストラリア戦)【4】第4回大会・中田翔(1次リーグ・オーストラリア戦~2次リーグ・オランダ戦=3試合連続)【5】第5回大会・吉田正尚(準々決勝・イタリア戦~準決勝・メキシコ戦)【6】今大会・大谷翔平(1次リーグ・台湾戦~韓国戦)。なお、最長は中田の3試合連発。

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