侍・大谷 WBC初戦は「3番・投手」 二刀流で出陣「最初の試合は高鳴り、緊張はある」

 決戦の地・東京ドームで練習した大谷(撮影・吉澤敬太)
 練習前、ダルビッシュ(右)らと笑顔で記念撮影に臨む
 調整する大谷(撮影・金田祐二)
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 「カーネクスト2023 WBC1次ラウンド 東京プール、公式練習」(8日、東京ドーム)

 侍ジャパンは9日にWBC1次ラウンドB組初戦の中国戦(東京ドーム)に臨む。先発は大谷翔平投手(28)が務めることが8日、決まった。栗山英樹監督(61)が「投げながら打ってもらいます」と明言。「3番打者」としても名を連ね、国際大会で初のリアル二刀流が実現する。「監督と一緒に優勝できれば、これ以上ない」。投打での成功を信じて疑わなかった指揮官と、夢の続きとして3大会ぶりの世界一に向かう。

 超満員の東京ドームが、新たな歴史を刻む舞台になる。前日練習。大谷の表情に珍しく笑みはない。託されたのは9日・中国戦のマウンド。「3番・投手」-。国際大会初の二刀流が実現する。「緊張、責任」。数々の偉業を成し遂げてきた男でさえ、胸の高鳴りを抑えられないようだ。

 「自分のプレースタイル。必要だと思ってもらえるなら、できる限りのことをしたいです」。世界一に続く戦いは大谷の第一投から幕を開ける。日本ハム、エンゼルスでも当たり前の光景。だが「どこに所属していても最初の試合は高鳴りというか緊張はあります」と胸中を隠さない。

 栗山監督は日本ハム在籍時に、二刀流の可能性を信じ続けた恩師。世界に羽ばたく礎を築いた。偶然か、運命か。2人でまた、同じ場所で、同じ夢を追う機会を得た。「お世話になった監督なので、こんな舞台でできることは特別。もちろん一緒に優勝できれば、これ以上ないかなと思います」。特別な感情が1試合の重みを増す。

 球史に刻む新たな1ページ。栗山監督は起用意図について多くを語らなかった。「大事なスタートを大谷翔平でいく、それだけです。投げながら打ってもらう」。自らをファンの代弁者と称する指揮官。日本ハムの師弟時代から関係性は変わっていない。「彼にはずっと伝えてきましたが、二刀流はチームを勝たせるためにある」。勝利のために投手・大谷を指名し、3番・大谷を打線の軸に据える。

 思い、願いは誰より本人が理解している。1日のチャーター機帰国から、グラウンド内外で規格外の行動で魅了。強化試合では2打席連発に、技あり打と周囲の度肝を抜いてきた。この日は軽めのブルペン入りで調整。引き締まった表情で少しの自信も口にした。「今の自分の100%は出せる。いつも通りの自分らしいプレーをしたい」。具現化すれば誰もかなう者はいない。

 東京ドームでは16年6月5日・巨人戦以来、実に2468日ぶりのマウンド。「力のある投手が控えている」と、65球の球数制限まで目いっぱいに投げる。「フィジカル面は今までで一番いい。体調面は現時点では申し分ないかなと思います」。準備は整った。野球ファンに夢を届ける7試合。さあ、時間だ。

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