侍・大谷 二刀流の前にまず魅せたコミュ力 “若侍”と談笑「何歳ですか?」からスタート

 ファンの声援に応える大谷(撮影・金田祐二)
 侍ジャパングッズを買うために並ぶファン(撮影・伊藤笙子)
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 「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023、日本代表2-7中日」(3日、バンテリンドーム)

 名古屋が大谷フィーバーに包まれた。侍ジャパンの大黒柱・大谷翔平投手(28)が3日、ついに合流の地でもあるバンテリンドームに降臨。都内から混乱を避けるため、またしてもチャーター機を飛ばし、VIP移動で世界一奪還メンバーに合流した。この日は改めてWBCでの二刀流挑戦を表明し、お預けとなったフリー打撃披露は4日にも解禁されることになる。なお、MLB所属選手に関しては、6日の京セラドームでの阪神との強化試合からの実戦出場となる。

 緑色の人工芝に、ゆっくりと足を踏み入れる。予定を前倒しして、帰ってきた日本の舞台。大谷が視線を上げると、そこにはたくさんのファンが大きな拍手で出迎えた。「早い時間からいっぱいお客さんにも入ってもらって、すごくいい雰囲気で本番まで迎えられる」。喜びが表情になり、終始笑顔に満ちた。

 強い覚悟を持って、日の丸のユニホームに袖を通した。栗山監督やエンゼルスのコーチと何度も話し合いを重ね、「打つことと投げること。それが僕のプレースタイルではあるので、(開幕から)いくつもりでいます」と二刀流で戦うことを宣言。持てる力を出し切るための最終調整が、ここ日本で始まる。

 1日にチャーター機で米国からVIP帰国。中1日を挟み、この日は都内からまたもチャーター機で名古屋入りしたばかりだった。「まずは時差ぼけをしっかり直して」と話すように、この日は別メニューで調整。打撃練習は4日以降にお預けとなり、軽いランニングメニューで汗を流し、試合はベンチでヌートバーやダルビッシュらと見届けた。

 それでも、抜群の存在感だ。グラウンドでは黙々と走り込んでいるかと思いきや、湯浅、大勢、高橋宏と談笑。「まずは顔と名前をしっかりと覚える」と笑い、コミュニケーションの目標を設定。「自分より年上かどうかも分からなかったので、『何歳ですか?』というところからですけど」と会話の種探しにも“らしさ”がにじむ。

 なじみの顔を見つけると、人なつっこさも全開。松井裕には思わず抱きつき、日本ハム時代に親交の深い白井ヘッドコーチには気づかないフリをしながら体当たりだ。同コーチも「翔平が僕にパワハラしました」と訴えるほどの和やかな初日。会話の花を咲かせた。

 日本の勝利だけを求めて、海を渡った。「今出せる100%を試合で出せることがチームにとって一番大事。他の選手にとっても安心材料になると思うので、グラウンドでのプレーを頑張りたい」。二刀流の“翔TIME”へ。まずは初戦の9日・中国戦先発に向けて、大谷がついに動き始めた。

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