高知・岡部、2年連続最多勝&チーム優勝でNPBへの切符つかむ
【高知・岡部峻太投手】文=高田博史
徳島とのダブルヘッダー第1戦(9月15日、高知)に勝利し、9勝目を手にしたとき、岡部峻太は思った。
もし最多勝が獲れるのなら、単独で獲りたい--。
原田宥希(香川)、伊藤翔、松本憲明(徳島)が8勝で並んでいる。続く第2戦は高知・加藤佳樹と徳島・伊藤の投げ合いだった。
「『加藤さん、勝ってくれ!』って。そこから最多勝を意識するようになりました」
最終戦(9月21日、JAバンク徳島)で勝ち星を2桁に乗せ、最多勝タイトルを手にした。昨年は8月からの入団だったため、2勝しか挙げていなかった。
「伊藤翔がNPBに行って、原田さんも何球団からも調査書が来ていて。そのなかで自分が勝ち数だけでも勝てた。得たものって言えば、自信を得たんじゃないかなと思いますね」
1年を通じて結果を残せた。だが、満足度は「半分くらい。50%」と答える。
「自分自身を褒めてあげたいところなんですけど、細かい内容を見ると全然。ただ単に、運が良かったのかなというのもあるので」
球速が4キロアップし、最速147キロを記録している。いまから下半身トレーニングに力を入れながら「来季の自分が楽しみ」と話す。
今季限りで高知を去る深江真澄(元オリックス)から言われた。伊藤(西武3位指名)は18歳の若さで150キロを、大蔵彰人(徳島、中日育成指名)は191センチの体があり、147キロのボールを投げられる。
「『お前はそうじゃない。タイプが全然違うから、もっと上を目指せ。身長もないんだから、154キロぐらい投げる勢いでいかないと』って言われて。来年は球速も求めていきたいと思ってるし、それ以上に勝つことも大事だと思っています」
2年連続最多勝を狙うことはもちろん、駒田監督を胴上げしたい。
「優勝戦まで行くことで、スカウトも多く来てくれると思っていて。NPBに行くことも大事なんですけど、一番は優勝がしたいですね。優勝すれば、NPBも付いてくると思っているので」
高知を優勝させ、NPBへの切符をつかみ取る。明確な目標が、目の前にある。