愛媛・繁田、海外で手にした「自分のスイング」で首位打者を狙う

 【愛媛・繁田隼内野手】文=高田博史

 愛媛対徳島後期3回戦(13日、しおさい)は6対6の同点のまま、九回裏2死満塁の場面を迎えていた。愛媛の7番・繁田隼が打席に入る。

 「真っすぐ押しのピッチャーだったので、ストレート1本に絞って思い切りいこうってことだけでした。1球ボールを挟んで、次は多分(ストライクを)取りに来る」

 すぐに「行った!」と分かった。右翼フェンスを越えた一発は、4連敗を止める劇的な2号サヨナラ満塁本塁打となった。ここから愛媛は3連勝と波に乗る。

 172センチとさほど上背はないが、5月に途中入団して以来、3割半ばの打率をキープし続けている。

 「反対方向にも強く打てると思っているので。まんべんなく打てることが打率につながっているんじゃないかなと思います」

 本塁打は狙っていない。それよりも、しっかり自分のスイングをする。それができればヒットが出るという自負がある。

 大学時代、目立った成績を残せなかった。だが、まだまだ野球がやりたい。両親は「好きなようにやっていいよ」と言ってくれた。

 卒業後、フランスでプレー。昨年は2カ月間、米・独立リーグでプレーした。帰国後、母校で練習をさせてもらいながら、引っ越しのアルバイトで生活費を稼いだ。国内独立リーグでプレーする道を模索するなか、愛媛への入団が決まる。

 「アメリカで『これでいけるんじゃないか?』っていう感じがあって。自信もってこっちに来て、それを試したいというか」

 こう振ったら芯に当たる--。海外で手にした感覚を披露する場が与えられた。アイランドリーグでのルーキーシーズンを突っ走る。

 「チームに貢献できるように頑張るだけだと思ってます。バッティングでは自分のスイングをして。守備ではピッチャーを助けて。しっかり取れるアウトは取って行きたい」

 首位打者のタイトルを獲るために必要なことは、考え過ぎずに自分のスイングをすること。トップからフォロースルーまで、しっかり振り切る。それが「繁田隼のスイング」である。

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