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徳島・福永 ドラフト終了後に会見場で待っていたサプライズ

 阪神から指名を受け、福永春吾は目標を「開幕一軍」と書いた(撮影・高田博史)
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 【徳島・福永春吾投手】

 ドラフト会議を見守る中継会場のドアを開ける。

 「うわあ、ここや…」

 よみがえってきたのは、昨年のつらい記憶だ。

 指名につながる調査書は2球団から届いていた。徳島から吉田嵩(中日育成)増田大輝(巨人育成)が指名を受けるなか、福永春吾の名前はついに呼ばれなかった。

 失意のどん底からなんとか這(は)い上がろうとする過程で、もう一度自分自身を見つめ直している。

 「冬、死ぬ気でやったら変わるんじゃないか。なぜ行けなかったのか、どうしたら行けるのかを考えたときに、独立リーグからなら即戦力が求められる。クイックの速さ、けん制の速さ、フィールディング。投げる以外にマウンド周りのことをどれだけできるか」

 ウエートトレーニング、ランニングはもちろん“ピッチング以外”をレベルアップする。とりわけ走者を置いたときのクイック・モーションに自信がなかった。

 走らせたくない。しかし、早く投げようとしてコントロールミスはしたくない。焦るとテンポが悪くなる。モーションは速く、フォームも崩れないように-。

 動画を撮りながら、変化球で1・2秒、直球で1・1秒を切ることを目指した。

 不安はもう、オープン戦が始まるころにはなくなっている。昨年までのように、やたらとスピードを追い求めることもやめた。

 「求める必要がなくなったというか。ほかにやれることがいっぱいできて、すごく自信ができたから」

 試合での安定感、完成度がさらに増した。シーズンを通して守り続けた防御率1点台は、進化の証しだ。

 今年は9球団から調査書が届いている。アイランドリーグから初の阪神入団。これで12球団すべてに選手を送り込んだことになる。

 ドラフト終了後、思わぬサプライズがあった。ファンが大勢待つ会見場を見渡すと、そこに父・麻規(まき)さんの姿がある。大阪から駆け付けることなど、何も聞いていない。

 「人生でこんな機会ないからなあ。スーツ、新調したわ!」

 真新しい紺のスーツに、縦じまの柄が入っていた。

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