「プロ野球１２球団合同トライアウト」（１２日、甲子園）　阪神から戦力外通告を受けた岩本輝投手は、シート打撃で打者３人に１安打１失点だった。

　　シート打撃はカウント１ボール１ストライクからスタート。先頭のＤｅＮＡ・内村には１球もストライクが入らず四球を与えた。巨人・加藤健は空振り三振に仕留めたが、オリックス・堤に中越え適時二塁打を浴びた。「全体的にストライクを取るのが精一杯だった。これが今の力だと思う」と振り返った。

　オリックスは７日、元阪神でＢＣリーグ・福井の岩本輝投手（２５）を獲得したと発表した。年俸２００万円、背番号は９１。

　その獲得は不思議な縁がもたらした。１日に敦賀で行われた福井対滋賀の一戦。オリックスから育成選手の神戸を福井に派遣しており、長村裕之本部長が表敬訪問した。当日、神戸は完封ペースだったが九回に同点に追いつかれ延長戦。ここで投げたのが岩本だった。

　「三者凡退で打ち取った。以前に担当スカウトからいいと報告は受けていた。ボールを見てこれなら他球団もほしがると思った」その場で獲得を即決。わずか６日後に発表というスピード補強となった。

　福井では昨季の先発からリリーフに転向。２６試合に登板して１勝１敗１セーブ、防御率１・５０の好成績で前期優勝に貢献。特に３０回で４４奪三振と奪三振率の高さは際立っている。