2月の韓国プロ野球は“渡り鳥” 全チーム海外キャンプの理由とは

2017年の韓国プロ野球キャンプ日程
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 毎年、韓国プロ野球はすべての球団が海外でキャンプを張っている。最近では2軍も台湾で行うようになった。そう記すと「韓国の球団は金持ちだなぁ」との反応をよくいただく。事実、親会社の規模は日本より大きい球団も多い。しかし、だからというわけではない。首都であるソウルは福島と同じくらいの緯度にあり、2月はまだ寒さが厳しい。そのため必要に迫られての海外キャンプでもあるのだ。

 一覧のように、半数以上がアリゾナを中心に米国本土でキャンプを行っている。数年前までは日本(とくに沖縄)が多かったが、日本の球団も多くなり、押し出される格好でアメリカを選ぶようにもなった。移動距離は長いが、環境的にはメジャー施設を使えるため、トレーニングそのものに不自由はない。

 ただ中盤になると実戦形式に入る。その練習試合の相手に困る。NCなどはロサンゼルスに移動して地元の大学チームと試合を行うといった苦労もある。そもそも中旬になればメジャーの球団が訪れるため、施設を明け渡す必要も生じる。そこで1次、2次とわけ、2次キャンプ地として沖縄や宮崎に移動してくる球団も多い。沖縄、宮崎なら練習相手も豊富だ。練習用の専用球場はなくとも、試合数を増やすことで練習場所も賄える。

 いわば渡り鳥のようにして米国本土から沖縄、宮崎と移動し、3月10日をメドに一斉に帰国してオープン戦に入る。

 そんな春季キャンプだが、今年はやや例年とは異なる趣を見せている。日本と同様の2月1日から一斉スタートとなったことだ。これまでは1月中旬から、各球団バラバラに始めていた。前述のように、冬の韓国は厳しい寒さのため屋外で満足に身体を動かせない。自主トレが十分に出来ないことで、球団側が早めにキャンプを開始していたのだ。

 しかし今年からは韓国球界も選手会の意向により、参稼報酬の発生する2月からのキャンプイン遵守となった。それでいてキャンプ打ち上げ(帰国)は例年通りだから、およそ2週間分も練習量が少なくなる。それが開幕後に影響を与えるかどうか。

 WBCに参加するメンバーは、所属球団とはまた別の動きをしている。メンバー中8選手は、グアムでのミニキャンプに入った。期間は1月31日から2月9日まで。宣銅烈代表投手コーチが引き連れてのものだけに、短期間でも濃密な練習を積んできそうだ。

 またこのミニキャンプには、時差ボケ対策の一面もあるという。選手によってはアリゾナやフロリダのキャンプ、沖縄の合宿、そして本番に入れば1次ラウンドで韓国、2次は東京、勝ち上がれば決勝ラウンドは再び米国本土(ロサンゼルス)と太平洋を行き来することになる。その負担、特に時差ボケを最小限にするため、ミニキャンプを設けたという。

 選手たちはいったん帰国し、2月12日からは沖縄で代表チームの合宿が開始される。グアム組はもちろん、アリゾナなど所属球団で汗を流していた選手たちがここで集結する。 

 代表組も、そうでない選手たちも、韓国選手の2月は本当に移動が多い。もちろん、その間には練習だ。タフな毎日。これもまた韓国プロ野球の特色といえるかも知れない。

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