WBC、東京五輪…国際大会の見所とは

 8月4日(日本時間)、東京五輪での野球、ソフトボールなど追加、復活競技種目が正式に決まった。そしてその2日前には来年3月の第4回WBCの一部組み分けも発表と、なにやら国際大会の話題が続いている。

 まず来年3月7日から始まるWBCの第1ラウンドは東京ドームで日本、キューバ、中国、豪州の4チームで2つの勝ち上がりを競う。一方、もうひとつのアジアラウンドはかねてからの噂通り、韓国ソウルに初めて建設された高尺ドームで韓国、台湾、オランダに地区予選勝ち上がり組を迎えた4チームで戦うことになった。そしてこの8カ国・地域から4チームが、3月12日からの2次ラウンド進出となる。舞台は東京ドーム。

 一方、東京五輪は6チームと少なく、復活したはいいがどこまで盛り上がるのか、ちょっと心許ない。

 いずれにしてもやや残念(?)なのは、3カ国が新鮮みに欠けることだ。WBCもキューバ、中国は前回の福岡ラウンドと一緒。いかに4年ぶりとはいえ、既視感は否めないのではないか。2次ラウンド進出したとしても、迎えるのはおそらく。韓国、台湾、オランダのうちの2チームだ。相手選手がわかれば、試合観戦の楽しみも深くなるという考え方もあるけれど、正直、読者の皆さんはいかがだろうか。東京五輪の6カ国も、同様に実力通りとなれば韓国、台湾、キューバまでは予想がつく。

 だから、というわけでもないだろうが、WBC1次ラウンドのホストとなった韓国では、組み分け報道こそされているが、球界、ファンの間ではそれほどの関心はない。「公式戦でそれどころではない」(韓国球界関係者)というのが正直なところのようだが、これは五輪復活でも似たような反応なのだ。

 韓国といえば五輪やアジア大会でメダルを獲得した場合、スポーツ選手には兵役恩恵の免除が与えられる。アジア大会は金メダルのみだが、五輪は銅メダルまで。当然、モチベーションは高まるはずだ。もっとも今の韓国球界は選手の八百長事件が勃発するなど不祥事続き。4年先の五輪まで思いを馳せる余裕はないともいえる。ちなみに代表監督もWBCすら決まっていない。韓国野球委員会(KBO)の技術委員長として、いわはせ代表チームのGM的役割を金寅植元WBC代表監督が担っている。第1回、第2回と日本との苛烈な戦いを経験してきた重鎮だ。プレミア12でも代表監督を務めた。球界内では「金寅植監督が応じれば、代表監督は決まり」との声も強く、他の候補も浮上していない現状では、3度目の登板となる可能性が強い。

 同じく隣国の台湾は、国際大会に熱心ゆえ、2大会の報道も盛んだ。ほぼ日本で報じられていることのすべては伝えられており、直近のWBCなどアウェーとなる韓国での戦い方の予想プランなど踏み込んだ報道もある。東京1次ラウンドと比べ、実力差が接近しているため、油断は出来ないと警鐘を鳴らしてもいる。とくに台湾は国際大会での活躍度、成績がプロリーグの野球熱を大きく左右するだけに、モチベーションは韓国以上。こちらも代表監督は決まっていないが、昨年のプレミア12で指揮を執った郭泰源(元西武)を筆頭に、アマ代表チームの監督を長く務めている郭李建夫(元阪神)の名前も挙がっている。

 こうして見ると、韓国、台湾とも過去のWBCやプレミア12の代表監督がスライド就任する可能性が高い。となれば、小久保監督としても、対戦経験ある相手といかなる戦いを演じてくれるか。

 文中、新鮮みに欠ける組み合わせと記したが、監督まで同じとなるなら、逆に監督の采配という見所も増える。

 国際大会の意義については賛否あるのは無理からぬことだが、どうせやるなら国内リーグ戦とは異なる緊張感を味わいたいもの。他国の情勢、情報にも関心を持っていきたいと思う。

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