広島・栗林 64日ぶり5勝目!7回1失点 「絶対に抑えてやるって」打球直撃もなんの力投117球 森下&佐藤輝を無安打

4回を投げ終え笑顔でベンチに戻る栗林(撮影・西田忠信)
2回、熊谷の打球を右足に受け倒れ込む栗林(撮影・山口登)
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 「広島2-1阪神」(18日、マツダスタジアム)

 超満員のマツダスタジアムに鯉党の歓声が響き渡った。広島・栗林良吏投手(30)が7回8安打1失点と力投し、1軍復帰星を挙げた。二回以降、毎回走者を背負いながらも粘りの投球を展開。右内転筋の肉離れから復帰後2戦目の登板で5月15日以来、約2カ月ぶりの5勝目を手にした。阪神打線を手玉にとった117球。背番号20がチームに勢いをつけた。

 栗林が拳を握った。2-1で迎えた七回2死一塁。高寺を空振り三振に斬った直後だ。つながれれば中軸と対峙(たいじ)する局面。「ピンチのつもりで投げた」。決め球はフォーク。117球目。伝家の宝刀で流れを断ち切った。

 試合の分岐点は二回にあった。2死一、二塁で、熊谷の痛烈なライナーが右足首付近を直撃。一度、マウンドに倒れ込んだ。すぐさまトレーナーらがマウンドへ駆け寄るものの、ベンチに下がっての治療を拒否した。

 「(ベンチに下がって治療を受けると)チームの守備の時間が長くなる。投げられるのなら、わざわざ下がる必要ない。『下がりたくない』って言いました」

 苦い記憶は、右内転筋を痛め、離脱のきっかけとなった5月22日の中日戦。初回、異変を訴えたとベンチ裏で治療。再びマウンドに戻るものの、打ち込まれ降板した。チームに迷惑をかけたという思いがある。だからこそマウンドを降りるという選択肢はなかった。

 「本当に、あれでアドレナリンがより出たというか。絶対に抑えてやるって気持ちになりました。それ以降もずっと、集中を保つことができた」

 三者凡退は初回の一度のみ。フルカウントは5度あった。それでも根負けせず四球はゼロ。得点源の森下、佐藤輝は無安打に封じた。

 内角を強気に攻められたことも粘投につながった。前日17日に島内の投球が前川の背中を直撃。若虎は「右肩甲骨骨折」と診断された。

 初回。先頭・近本の4球目。持丸のサインは内角高めの直球だった。「投げ切れなかったら、打たれるだけだと思った。しっかり割り切らなきゃいけないとこだったと思うし、より集中したというのはあります」。三邪飛に打ち取った。

 7回8安打6奪三振1失点で5勝目。新井監督は「本当によく投げてくれた。素晴らしい投球だった」と賛辞を惜しまなかった。

 復帰星は、開幕カード以来の本拠地で手にした。「ビジターでの勝利もうれしいですけど、ホームはよりうれしい。勝てて良かったなという気持ち」と声をはずませた右腕。アクシデントを闘志に変えてつかんだ価値ある白星。頼れる右腕が見せた熱き魂が、チームを加速させる。

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