広島・持丸 プロ1号から2戦連発「必死にやるだけ」 先発マスクで初の無失点 新井監督「チャンスを一発でつかむんだと」
「DeNA0-10広島」(6日、横浜スタジアム)
力強く振り抜いたバットを、高く突き上げた。確信があった。伸びる白球は、青く染まった右翼席の中段に飛び込む。広島・持丸泰輝捕手が、プロ初本塁打から2試合連発弾。横浜の空に、美しい放物線を描いてみせた。
「1球で仕留められて良かった。最高の結果になって良かった」
8-0の六回無死。石田健の143キロ直球を振り抜いた。左腕とはこの日が初対戦。じっくり見極めても良い場面で攻めた。「積極的に、どんどん後ろにつないでいくことを、常に意識している」。持ち味を貫ける強さが魅力でもある。
プロ1号を放った前日5日はベンチスタート。この日は、2試合ぶりにスタメンマスクをかぶった。新井監督は「このチャンスを一発でつかむんだという、そういうものが打席にしても、守備にしても、伝わってくる」とギラギラしたまなざしを評価した。
この日が先発マスク13試合目。九回まで扇の要として守り、初めて無失点で試合を締めた。「捕手として、無失点で試合を終われるのはうれしい」。攻守両面で、最高の結果をもたらした。
この試合を含め、何度もワンバウンドする投球を、体を張って止める場面があった。苦い記憶は22年6月23日の阪神戦。スタメンデビューした試合で、アンダーソンの投球を後逸し、失点した。
2軍では試合後に、大野練習場で打撃マシンに向かい、ワンバウンド捕球の練習を継続した。育成からはい上がるため、誰よりも流した汗。今、大きなチャンスが目の前にある。
指揮官は、今後の先発起用について問われると、「もちろん」と期待を寄せた。「与えられた場所で、やるべきことを必死にやるだけだ」と若鯉は顔を上げた。育成出身の苦労人が、大きな成長曲線を描いている。
