広島・栗林 先発転向イケる! 実力申し分ない投手、中6日での調整方法がうまくできれば 横山竜士氏が太鼓判 空いた穴は黒原に期待

 来季から先発に転向する栗林
 横山氏が期待を寄せる黒原
 栗林、黒原に期待を寄せる広島・横山竜士氏
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 今季まで広島の投手コーチを6年間務めた、横山竜士氏(49)がデイリースポーツ評論家に7年ぶりに復帰する。間近で接してきたカープ投手陣の今季の振り返りと、来季の展望を2回に分けてお届けする。第1回は来季から先発転向する栗林良吏投手(29)について。栗林の穴を埋めるリリーフ候補にはケガからの復活を目指す黒原拓未投手(26)を挙げ、“ドラ1コンビ”に期待を寄せた。

  ◇  ◇

 デイリースポーツ読者の皆さま、ご無沙汰しております。横山竜士です。このたび、ご縁あって再びデイリースポーツ評論家の仲間入りをすることになりました。カープでは20年から6年間、1軍と2軍のコーチを務めさせていただきました。その経験も生かし、あらゆる視点で評論を行っていきたいと思います。

 今季のチームは5位でしたが、森と玉村の成長は大きな収穫でした。森は制球難での自滅がほぼなかったですからね。玉村もチームにとって大きな存在です。彼は高卒2年目の春季キャンプから競争に身を置いてきた立場。その中で、1軍である程度の投球を披露しているわけですから、うまく起用してあげることでさらに好成績が見込まれると思っています。

 さて、17日にハーンの残留が決まり、来季のカープ投手陣の戦力図が整いました。やはり注目は来季から先発転向に挑む栗林でしょう。

 私も現役時代、リリーフから先発に転向した経験があります。当時は結果が出なかった登板後の中6日が憂鬱(ゆううつ)でした。リリーフであれば挽回の機会がすぐ訪れますが、そうはいきません。気持ちの切り替え方が難しかったのを覚えています。

 栗林は今季まで1点も与えられない、重圧の大きな場面で役割を果たしてきました。実力は申し分ない投手。中6日での調整方法や気持ちの切り替えがうまくできれば、チームに必ず貢献してくれると考えています。

 もう一点、先発とリリーフの違いに触れます。リリーフの場合、同じ打者とは1試合に一度の対戦しかありませんが、先発は3、4回の対戦があります。球種の少ない投手なら投球を組み立てる選択肢が狭まりますが、栗林は豊富な球種がありますよね。

 栗林=直球、フォークというイメージがあるかもしれませんが、彼はスライダーもカーブも高水準です。どのボールでもカウントを取れて、勝負球になるタイプ。その魅力があるので、先発の方が持ち味が生かされると見ています。それが投球の幅を広げ、彼自身の投手としてのレベルアップにもつながります。

 栗林の先発転向によってリリーフの枠が一つ空きますが、そこで期待したいのが黒原です。今季は5月に左膝の手術を受けて全休となりました。元々は球威があって三振が取れ、投げっぷりのいい投手。先発とリリーフの経験もあって、抑えを任せられる可能性も持っています。本人も今年は悔しさを味わったことでしょう。2人の“ドラ1コンビ”の躍動が強固な投手陣の構築を近づけてくれると考えています。

 ◇横山 竜士(よこやま・りゅうじ)1976年6月11日生まれ、49歳。福井県勝山市出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。178センチ、80キロ。福井商時代は甲子園出場はなかったが、1年秋からエースとして活躍。94年度ドラフト5位で広島に入団。97年に中継ぎながらプロ初勝利を含む10勝を挙げる。先発、中継ぎ、抑えと幅広く活躍し、プロ20年目の2014年に現役引退。通算成績は507試合に登板、46勝44敗17セーブ110ホールド、防御率3・42。20年から今季まで広島で投手コーチを務めた。

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