長野を「巨人に返したのは間違っていなかった」 広島・鈴木球団本部長の思い「巨人で引退するのが一番」にじむ親心
巨人・長野久義外野手(40)が今季限りで現役を引退した。広島にも2019年から4年間在籍し、22年オフに巨人へ無償トレードで復帰。前例のない移籍劇を主導したのは広島の鈴木清明球団本部長(71)だった。当時の「いつかユニホームを脱ぐことがあるとすれば、巨人で脱ぐべきじゃないか」という願い通り、巨人で完全燃焼した長野への思いとは-。
Gマークの球団旗の前で長野は引退会見を行った。2019年、人的補償としてカープに加入した時には考えがたかった光景だろう。複雑に入り組んだ野球人生。そんな長野の運命の針を再び巨人へと差し向けた張本人である鈴木本部長は、今回の引退について、「引退試合もなかったから、まだもう少しやるんだと思っていた」と正直な気持ちを明かした。
長野が無償トレードで巨人へ復帰したのは、3年前の22年オフのこと。本部長は「(長野を巨人に再び)入れる時はあの時しかなかった」と当時を振り返る。22年は58試合の出場にとどまっていた長野だが、「元の環境に戻ることによってよみがえるかもしれない」と鈴木本部長をはじめとするカープ球団は考え、巨人側に無償トレードを打診して成立に至った。
ドラフトでの2度の指名拒否を経て巨人に入団した経緯も踏まえて「(長野は)巨人で引退するのが一番だと思っていた」。“親心”がにじんだ移籍だった。
鈴木本部長は、その後も長野のプレーを見てきた。慣れ親しんだ場所で24年にはリーグ優勝も経験。そんな姿を目にして、あの時の無償トレードの選択は「間違っていなかったと思った。(巨人で)優勝も経験してって形だから良かったと思う」としみじみと語った。
長野は引退会見でカープ時代を「僕の野球人生の中で大切な時間」と表現した。4年の在籍期間だったが「ああいう目標にできる選手がいたということは良かった」と本部長は語る。当時は驚きを呼んだ人的補償での移籍劇だったが、血の通った思いが重なり合い、カープと長野、両者に無形の財産を残した。
◆長野久義、巨人への無償トレードVTR 長野は2019年、巨人へFA移籍した丸の人的補償で広島へ移籍して4シーズンを広島でプレー。巨人への無償トレードとなり2022年11月2日の会見では「由宇にまで応援に来てくださった方もいらっしゃったので…」などとファンへの感謝の思いを口に。言葉を詰まらせ涙する場面があった。





