阪神に無抵抗V逸決定の広島 初回6失点“決着” 新井監督「1戦1戦それを全力で頑張りたい」CS圏3差に開く

 「阪神6-1広島」(5日、甲子園球場)

 V奪回の道は閉ざされた。広島は1-6で阪神に完敗し、この日の敗戦で優勝の可能性が完全消滅した。2018年にリーグ3連覇を成し遂げて以降、7年連続でのV逸決定。先発・森翔平投手(27)が初回6失点の背信投球となった。新井貴浩監督(48)は残り試合に目を向けるも、チームは2連敗で5位転落。CS圏まで3差に開いた。

 優勝目前の首位チームの力に圧倒された。浮かれ気分の六甲おろしで揺れる甲子園。大歓声の中で赤いユニホームを着た面々は沈黙するしかなかった。阪神に20・5ゲームも離されてのV逸決定。新井監督は「今は残りの試合も少なくなってきているので、1戦1戦それを全力で頑張りたい」と悔しさにふたをして、前を見た。

 この日は先発・森が大誤算だった。1点を先制して迎えた初回のマウンドでいきなり無死二、三塁のピンチを招くと森下に左前へ同点適時打。さらに佐藤輝へ四球を与えた後、大山に左翼席に満塁アーチを被弾。1死も奪うことができずに一気に5点を失った。

 その後、投手・大竹にも適時打を浴びて初回だけで6失点。打者10人の猛攻を食らい、35分間もマウンドに立たされた左腕は「初回のうちに修正しないと駄目だった。本当に申し訳ないです」と頭を下げた。新井監督も「初回で(試合が)決まってしまった」と擁護できないほどの炎上で6敗目を喫した。

 打線も相手先発・大竹の前に得点できたのは初回だけだった。「大量失点したら相手のピッチャーも投げやすくなるので」と指揮官。変幻自在の緩急の前に凡打を重ねていき、大竹には新井政権発足の23年から14敗目。政権最大の天敵に封じられて、優勝への道は完全についえた。

 「昨年の悔しさを持って目標は当然、優勝、日本一」と意気込んで船出した今季だったが、首位を快走する阪神にはここまで6勝15敗で大幅に負け越している。若手が多く抜てきされたカープに対し、成熟したチーム力を誇る阪神。力負けの試合も目立った。

 チーム打率はここまで巨人、阪神と並んでリーグ1位だが、交流戦明けから16試合連続で3得点以下に陥るなど、不安定な時期も続いた。さらに「ストロングポイント」と新井監督が語る投手陣もチーム防御率はリーグ5位。昨季までの少ない得点を守り切る勝ちパターンは大幅に減った。

 これで中日と入れ替わって5位転落。9月5日のV逸決定は新井政権下では最速となった。「全部終わってから振り返りたいなと思います」と話すにとどめた指揮官。阪神はいよいよ優勝マジック3になった。昨年に続き、2年連続で目の前で胴上げを見せつけられることは意地でも避けなければならない。

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