広島・矢野 守備面&新井監督発言に危機感「しっかり守れてバッティングも数字を残せていたら他の人が守ることもない」
絶対譲らん!広島の矢野雅哉内野手(26)が26日、遊撃の定位置死守へ決意を語った。6月に入って打撃の状態は上向いているが、持ち味の遊撃守備に危機感を抱く。直近は7、8番起用が続く中、新井貴浩監督(48)は「今は1番から6番までは決まっている」と語った。さらなる活躍が求められる立場だけに、目の色を変えて汗を流し、リーグ戦再開に備えた。
梅雨は明けたかと錯覚させるような強い日差しが降り注ぐグラウンドにナインが再集結した。つかの間の休息を挟んで、27日からリーグ戦が再開する。「なんか居心地が良い」と言って、暑くても長袖のアンダーシャツに腕を通した矢野はバットを振り込み、内野では打球を追った。
課題だった打撃面は底は打ち、上昇気配が漂う。5月は「打たなきゃ」という気持ちが先行。月間打率・155と苦しみ、スタメンから外れる試合もあった。しかし、交流戦に突入してからは徐々に快音が聞こえだし、6月はここまで月間打率・276と、まずまずの成績を残している。
シーズン序盤は矢野らしくない早打ちでの凡退が多かったが、今では打席内で持ち味の粘りも出てきた。その要因は「状態が上がってきたから、(相手投手に)1ストライクをあげられる」という心の余裕と、「狙い球がしっかり絞れている」ことにあると自己分析し、現状に一定の好感触を示した。
一方で守備面には危機感を募らせる。交流戦最終戦の22日・楽天戦では1試合2失策を記録した。一つはイレギュラーでバウンドが変化した不運なものであったが、「二つとも捕らないといけない打球だった。あそこを普通にカバーできないと守っている意味がない」と表情は険しい。この日は練習終盤まで遊撃でノックを受け、「バッティングどうこうより、守備で迷惑をかけている。そこをどうにかしたい」と力を込めた。
新井監督は打線について、「今は1番から6番までは決まっている」と語った。1番・大盛、2番・ファビアン、3番・小園、4番・モンテロ、5番・坂倉、6番・末包という布陣はある程度固定されながらリーグ戦再開後は戦いを進めていくだろう。そんな中、直近で7、8番に入っている矢野は指揮官の言う「決まっている」対象には含まれていないことから、危機感と対抗心に拍車がかかる。
この日は小園も遊撃で守備練習をした。「自分がしっかり守れて、バッティングもある程度の数字を残せていたら、たぶん他の人がショート守ることもないと思う。あとは自分次第。打たないと誰かに守られてしまうので」と矢野は語った。定位置をつかんで2年目。背番号4が勝負の夏を迎える。





