広島・森 あっぱれプロ初完封!129球熱投で自己最多タイ4勝目「自信持って投げていく」 西武に3連勝2位浮上
「広島10-0西武」(8日、マツダスタジアム)
あっぱれ翔平!広島の森翔平投手(27)が7安打無失点でプロ初完封を達成した。序盤から西武打線を翻弄(ほんろう)。味方の攻守にも助けられ、プロ入り後最多129球の熱投で8三振を奪い、自己最多タイの4勝目を手にした。チームは高勝率誇るマツダスタジアムで西武に3連勝し、交流戦2位タイに浮上した。
プロ初完封をかけて、九回のマウンドへゆっくりと歩を進めた。雨の中、登場曲である浜田省吾の「風を感じて」が本拠地に流れると、鯉党からは大きな拍手。「初めて知りました。登場曲が流れるんだと思って」と森。27個目のアウトを空振り三振で奪うと、ほっとした表情で坂倉と抱き合った。
序盤から快調に飛ばした。「真っすぐでファウルも取れていたので、変化球も生きました」と直球を軸にテンポのよい投球を披露。1点リードの四回2死一塁では、古賀悠の左翼線への打球を守備陣が見事な中継プレーで本塁生還を阻んだ。再三の好守にも助けられ、「いい流れに乗っていけました」と汗を拭った。
九回も146キロを計測するなど最後まで出力は落ちず、プロ入り後最多129球の熱投でプロ初完封。4月13日・巨人戦(マツダ)以来となる自己最多タイの4勝目をマークした。
ここまで自身が先発した9試合中6試合で前の試合に床田が登板。7日の同戦で完投勝利を挙げた左腕から、「投げる前に『どんな感じですか』と聞く」と相手打線の貴重な情報を仕入れて、マウンドに上がるのがルーティンとなっている。
この日も「実際投げてみてどうだったかを聞きました」と西武打線の攻略法をインプット。「同じ左で聞けるのでとても大きい。ありがたいです」と、チーム最多6勝をマークしている左のエースとの“情報リレー”が快投を呼んだ。
久しぶりのお立ち台では存在感を放った。顔が似ていると言われているお笑いコンビ・ティモンディの高岸の決めゼリフにならって「自分自身、もっと『やればできる』と思って頑張っていきたいと思います」と宣言したが、場内はややウケ止まり。「若干滑った感じになって気まずかった」と苦笑いを浮かべつつ、「どんどん勝っていくことが大事。自信を持って投げていきたいです」と切り替えもばっちりだった。
チームはリーグ優勝を果たした16年以来、9年ぶりの西武戦3連勝。本拠地・マツダスタジアムでは、勝率・704と驚異的な数字を残し、交流戦2位タイに浮上した。「先を見ずに1試合ごとにベストを尽くすだけ。目の前の試合に集中してやっていきたいです」と森。初完封は通過点。ここからも1勝ずつ、勝ち星を積み重ねていく。